シャールフ大隊の突破
シャールフ大隊は包囲網の北端の敵大隊に攻勢をかけて、ここを突破する。
攻撃されたラト族大隊はクリアワイン手前Hex3217に後退し、そこにいた大隊と合流した。
これは、シャールフ大隊がクリアワインに向かうと考えての行動であった。
シャールフ大隊はこれを無視してCatfish Swamp(Hex3218トエナ河西岸)に向かった。
ラト族騎兵旅団はこの行動を予見できず、後手を踏むことになった。
Catfish Swampの橋梁は貧相な物であり、軍隊の通行には不向きという情報だったためである。
Catfish Swampを使用するというのは、演習でクリアワイン近辺の地理に精通していたバフラヴィー以下の卓見である。
ケイマン第三騎兵旅団は直ちに全部隊の集結を命じたが、最南端の部隊とは一〇〇キロ近い距離があった。
結果的に、最南端の二個大隊は三六時間ほどでCatfish Swampに到着した。
これは伝達時間まで考慮すると驚異的な速度であり、第三騎兵旅団の練度の高さを示すものである。
ただし、シャールフ大隊を捕らえることはできなかった。