MAPシャールフ大隊包囲
10月半ば、シャールフ大隊が敵騎兵旅団による遠隔包囲を受けた状況。
ケイマン軍第三騎兵旅団(ラト族主体)は偵察部隊によるシャールフ大隊の位置把握を諦め、六個の大隊を大きく展開した。
トエナ河を利用して、大きな包囲網を形成し、徐々に包囲網を縮めてシャールフ大隊を捕捉する作戦である。
包囲半径が南北で五〇キロという大き過ぎる包囲網だが、シャールフ大隊を確実に捉えるためにこうなってしまった。
分隊規模、小隊規模の偵察がほぼ全て捕捉され、破壊され、更に中隊規模での移動もクロスハウゼン・バフラヴィー率いる強襲部隊に粉砕された結果の、苦肉の作戦であった。
シャールフ大隊はスルスー小隊をはじめとする騎兵偵察部隊の活動によりラト族騎兵の動きをほぼ正確に掴んでいる。
クロスハウゼン隊は、こうなる事を予測、というよりも希望し、その一瞬に賭けていた。
この状態になるのをできる限り早く把握する必要があったわけであり、そのために最大限の努力を行っていた。
敵部隊の把握には、スルスー以下の偵察部隊もあるが、帝国内住民からの情報収集がより大きかった。
特に敵の南方への移動把握は地域諸侯や地域諸侯からの協力である。
ただし、この段階でシャールフ大隊は敵一個大隊がクリアワインHex3217西方に位置していたことまでは把握していない。