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04-20M07 龍神教本格攻勢

04-20M07 龍神教本格攻勢



龍神教の伏撃が成功しベーグム師団が総退却になった状況


ベーグム師団の南方進撃部隊は、総退却となり、分断点に殺到しました。
この時点で第一魔導大隊と騎兵中隊二個は部隊としての統制を失っており、戦闘能力を喪失しています。
第二第三歩兵大隊が辛うじて統制を維持しており、彼らが防衛線を維持しています。
しかしながら、統制を失った大軍が一度に隘路に殺到したため、大混乱状態に陥りました。


ベーグム司令部のニフナレザー副師団長は隘路の防衛のため第四歩兵大隊と第二魔導大隊を使用しましたが、判断が遅れたのは否めません。
これらの部隊をもっと早期に隘路に送っていれば撤退はもっとスムーズだったでしょう。
それでも部隊を送った結果として、隘路の防衛状況は改善しましたが、北方からの攻撃に対しては、敵四個歩兵大隊に対して二個歩兵大隊と二個騎兵中隊で当たることになり、押し込まれる形となりました。


ベーグム師団にとって、最初の奇襲でベーグム・アリレザー師団長が戦闘不能に陥ったのは不幸ではありましたが、結果としては下手に抵抗せずに直ちに総退却に移行したので、却って良かったという面もあります。
また、先頭の第一歩兵大隊が包囲されたこと、そして結果的に彼らが龍神教の四個大隊を拘束する形になったのは、ベーグム師団本体にとっては幸運でした。
ただし、南方で包囲された第一歩兵大隊と第一歩兵連隊司令部は師団本体から完全に見捨てられ、断末魔に陥っています。


龍神教側から見れば、この辺りから誤算が始まります。
まず、包囲した部隊が一個大隊でしかありませんでした。
第一歩兵連隊の旗があった事からも、当初は、二個大隊を包囲した物と考え、その殲滅のために四個歩兵大隊があてられました。
結果として過剰戦力の投入となった形です。
それでも、分断点の南側では、ベーグム側三個大隊(二個歩兵大隊と一個魔導大隊)に対して魔導一個を含む五個大隊で当たっており、ベーグム側が統制を失っていることもあって隘路の突破は容易と考えました。
ですが、キョウスケ隊が隘路西側の砦上から牽制攻撃を行ったため、西側の攻勢が鈍り、結果的にベーグム師団が分断点隘路で戦線を立て直す形になりました。



レトコウ伯爵ですが、ベーグム師団司令部からの戦闘開始の知らせもあり、取りあえず対応の為、部隊をまとめ始めました。
防衛態勢のために広く散開していた部隊を集中して、移動しやすくするためですが、多分にアリバイ作りです。
レトコウ伯爵の戦意は低く、ベーグム師団の攻勢に参加する気持ちは有りませんでした。
戦況が傾いたら頃合いを見て仲裁に入ろう、というのが伯爵の思惑です。



クロスハウゼン・バフラヴィー率いる諸侯軍ですが、前日から攻勢準備を行っていたこともあり、東方で戦端が開かれたのを見て速やかに行動を開始しています。
カゲシンに直接所属するバフラヴィーとしては、レトコウ伯爵のような完全な様子見は難しいため、ある程度の攻勢は最初から行う算段でした。
正面の龍神教部隊に対して攻勢を開始しましたが、これは、それが最初の計画であり最も容易と考えられたこと、無視して東側に移動した場合は後ろが危ない事、などによります。
諸侯軍の攻勢はクロスハウゼン夫妻の極大魔法の連発で開始されています。
この地区の龍神教部隊は、戦略的持久を命じられており、消耗を最低限にして、白龍川分岐点を出来るだけ長時間守る事を任務としていました。
陣地線の中央部で炸裂した大型ファイアーボール、そして諸侯軍が、退却すれば殺さないと明言したことから、龍神教は陣地線を放棄。
白龍川分岐点の最終防衛ラインに後退します。
バフラヴィーは必要とされる戦果を獲得します。

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