新作として発表しはじめた「百頭綺譚」にレビューをいただきました。はじめてのおすすめレビューです。「文圧がすごい」とのことですが、筆圧同様「文圧」がすごいといわれるのはうれしいです。元来本作は原稿用紙120枚程度のものから不必要な形容詞を削除するなどして106枚まで圧縮したものです。本来はもっとごちゃごちゃした文章でした。これが「文圧」というものかもしれません。
文体は中島敦さんの「山月記」や平野啓一郎さんの『日蝕』からの影響です。『日蝕』は悪文といわれますが、個人的には大好きな作品です。愚生は〈日本語は字面のうつくしさも重要〉とおもっていますので、古色蒼然たる漢字を沢山つかう悪癖ができてしまいました。
カタカナも当て字にしてよいのでは、とのことですが、非常に参考になりました。本作は十九世紀亜米利加から物語がはじまるので、当時の地名や部族の名前など、漢名が不明な単語がおおいのです。すべて万葉仮名にする方法もありますが、濠太剌利を游宇須登良理阿とするとどの地名も字面が似通ってしまってこまります。カタカナ語の漢名がわからないのはまったく愚生の責任なのですみません。
本作は十一話くらいで完結する予定で、頑張って更新してゆきます。