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定年したおじさんと無職

幼馴染は家の隣だ。ラブコメならこのシチュレーションありえそうだが、幼馴染はもう当の昔に結婚し、隣には住んでいない。まともな人生を歩んでいる彼に乾杯。

その幼馴染のお父様はもう定年されているのだが、よく庭の草むしりをしている。

話変わってこちら無職。無職は一日中家にいる。夕方になると、家から出て散歩をするのだが、おじさんと眼が一瞬会う。お互い戸惑いの表情を浮かべながら。

おじさんから見たら、隣の家の娘はもうかれこれ1年半仕事をしていない無職なのだ。

「気まずい…」
「どうしたけー子?」
妹の温子(あつこ)が話しかけてきた。ちなみに妹はわたしのことをお姉ちゃんとは呼ばない。けー子と呼ぶ。
「お互い会うと気まずいのよ」
「何? 二人なんかあったの?」
そんな恋愛的なノリの話じゃないのよ。確かにドキドキはするけど、ミステリーでホラーなドキドキのほうだからな。

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