お久しぶりです、ふひとです。気が向いたので半年ぶりにあとがき書きます。
今回の話は、五月さんと海人くん、二人の神子の頂上決戦の決着でした。といっても、本来この勝負で海人くんに勝ち目はなかったはずです。なんたって、海人くんは格闘戦弱いし、言霊だって術式を妨害することしかできなかった。死者を実体として顕現させる異能相手に、できることは何もなかったはずなんです。にもかかわらずここまで辿り着けたのは、やはり五月さんが無意識に海人くんや皆を生かそうとしていたからなのでしょう。そして、内心では助けを求めていたのかもしれません。その声に文字通り死ぬ気で応じた海人くんが一歩勝った、そういう決着でした。
さて、これにて一件落着――といかないのが本章の難しいところです。古都主の真の狙いは分からず仕舞い。南都の第三皇子や満仲さんの暗躍も意図が不明。朱雀帝もあれ以来動きがありません。その中で、先に動いたのは南都でした。全てを焼き尽くし、海人くんの希望すら葬り去った災厄の神子。仁王丸と犬麻呂の仇、『灼天』がついに坂東へと降臨します。再びカオスへと振り戻された盤面。絶望的な状況。失意に沈むことすらできない海人くんは、ここからどうなるのか――第三章は次話で最終回を迎えます。
それではまた、第160話でお会いしましょう。
(おまけで159話の挿絵を載っけておきます)