朝倉千冬 様の作品です。
作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330662200852504ファンタジーな恋愛少女小説でございます。
舞台は、北の果てにある国、北欧神話がモチーフの世界観です。
主人公は、女性だけで構成された軍隊『ワルキューレ』に所属する年頃の少女ですね。
彼女はある日、吹雪の中で行き倒れているイケメン少年を発見して助けます。
ところが、この少年、記憶を無くしてらっしゃる。
何の目的でこの北の果てに来たのか覚えてないんですね。
それでも、少女と二人で過ごす時間は彼にとって、かけがえのないものになります。
少女にとってもそれは同じで、二人の間に絆が生まれていきます。
しかし、ある日、北の果ての国を揺るがす大事件によって物語は大きく動き出すんですね。
これによって少女と少年は、敵同士、という立場に引き裂かれ――。
という、王道的ロミオとジュリエットなシチュエーションを堪能できる作品となっております。
この手のロミジュリ展開で見所になるのは、男女二人の立場がどんだけ絶望的に対立してるか、乖離してるか、がポイントになりますが。
この作品の場合はかなり絶望的な立場の対立があります。
これはもう、絶対に埋められない溝が、ガツーーーーンと提示されちゃう系ですね。
こんな溝どうやって埋めるねん、っていう絶望感が素晴らしかったです。
こんな過酷な運命に立ち向かう主人公は、生まれながらの英雄などではなく、等身大の女の子というのも面白い点です。
等身大の人としての心の弱さを抱えながらも、精一杯、自分を奮い立たせて運命にあらがっていく。
そんな王道ロミジュリ展開を、等身大の女の子の視点で味わえるのが、この作品となっております。
こんな方にオススメ
:王道ロミジュリ展開な少女小説を読みたい。
:運命に翻弄されながらも、運命に導かれる二人、的なシチュエーションが好きな方。