• に登録
  • 異世界ファンタジー

『祈りの機神と騎士の刃』のご紹介。『ぬいぐるみ(in幽霊)と行くお姫様探しの巨大ロボット学園ファンタジー!』

日鷹久津 様の作品です。
URL https://kakuyomu.jp/works/16817330648044168134


ジャンルはファンタジーなロボットバトルでございます。

祈機騎刃(エッジオブエレメンタル)と呼ばれる魔術を動力源として動く、巨大な騎士鎧のようなロボットが活躍するお話しですね。

主人公はそれを操る騎士を育成する学園で修練している少年ですが、過去の記憶をなくしています。
それでも、彼にはたった一つだけ、想い、が心の中に残っているんですね。

「自分が命をかけて守るはずだった、誰か、が居たはずだ」と。

それは彼にとっての、仕えるべきお姫様、幸せにしたい愛する人、のようなイメージなのですが、どうしても思い出せない。

だけど、胸の奥に想いだけは確かにある。
その想いを追いかけるため、顔すら思い出せない彼のお姫様探しが始まります。

が、そんな彼を取り巻く陰謀が、学園を脅かしだしちゃうんですね。
しかも、どうやらその陰謀は彼が失った記憶や、探しているお姫様にも、深く関わっている様子。

襲い来る敵との祈機騎刃を使った死闘の日々が始まります。




見所が多い作品です。

ストーリーの主軸となる少年のお姫様捜しのドラマも、バトルモノの添え物程度ではなく、ラブロマンスとして王道をしっかり踏んでいく。

記憶をなくした彼に託された想いが明らかになるにつれて、切ないような、温かいような、一筋縄ではいかない愛情を感じさせられちゃうんですね。

彼を取り巻くサブキャラも、良い味出してます。
相棒となる過去の英雄の幽霊ヒューグが代表ですが、ぬいぐるみに憑依して仲間になるというファンシーさ。
そして、たまに英雄たる本気をみせて、主人公の力になってくれるかっこよさのギャップがすばらしい。


ロボットバトルの大迫力なかっこよさ、も言わずもがなですね。
ここはまさに目玉といって良くて、デカい鎧がデカい剣をぶん回して、どつきあいまくるっていう、巨大ロボ同士のぶつかり合いの根源的な醍醐味を味合わせてくれます。

さらにロボオタ的に注目する部分はやはり、ロボットが開発された背景などの設定面ですよね。
このあたりも世界設定の部分からしっかり作り込まれており、説得力が担保されてます。


ロボオタっていうのは難しい生物で、人型巨大兵器というものが好きだからこそ、どこまでも非合理的で兵器としてのリアリティが無いということを、誰よりも知ってる人種でもあります。

なので、なんの理由もなしに、ロボットが登場したりするとしらけちゃうんですよね。その必然性をちゃんと描いて欲しい生き物なんです。
だから、この作品のように設定面の作り込みがされてるのは、本当に嬉しいんです。

ファンタジー系ロボットは、この辺りの設定は現実の地球を舞台にした物語よりも、自由に設定できるんですが、それだけに作品ごとの味がでる部分で見所になるんですよね。

ファンタジー系ロボットについて、もっとオタ語りしたい部分はあるんですが、さすがに本作の紹介とかけ離れたところへ行ってしまうので、ここら辺にしておきます。



こんな方にオススメ


:ロボットバトルの迫力と、ストーリーの面白さを両立した作品が見たい

:設定が作り込まれたロボットものが好き

2件のコメント

  • こんばんは。

    「なんの理由もなしに、ロボットが登場したりするとしらけちゃうんですよね。その必然性をちゃんと描いて欲しい生き物なんです。」
    フゥン……、難しい生き物ですね(;^ω^)

    『祈りの機神と騎士の刃』
    じれじれのラブロマンスとヒューグさんのもふもふ可愛らしさ(と英雄らしいギャップ)
    迫力のロボットバトル、面白いですよね(⁠・⁠∀⁠・⁠)
  • ええ、ロボオタは非常にめんどくさい生き物ですねw
    ロボットという代物が、どんだけリアリティがないか、世界一知ってる人種です。
    なので、そこをまず納得させてくれなきゃ楽しめない、めんどくさい奴らです。


    現実での地球でもそうですが、飛び道具がある設定の世界だと、人型である必然性が無かったり、むしろデメリットだったりするんですよね。

    兵器である以上、弾薬などを多く積めればそれだけ、火力があがって有利になるわけですが、人型ってそもそも内部容積を確保するのに向いてる形じゃないんです。

    向いてる形は球体とか四角ですね。
    輸送のことまで考えると、球体より四角のほうが扱いやすいので、必然的に陸上兵器は四角形が理想的な形状となります。

    これは現代の戦車が四角形の箱を上下二つ組み合わせた形状になっていることが、その証明ですね。


    そして次ぎに、装甲防御を厚くしないといけない面積において、人型は不利なのです。

    箱型兵器と同じ内部容積を、人型で確保しようとすると、どうしても身長を高くしないといけなくなります。
    でかくなっちゃうんですね。

    こうすると自然と、敵から見たときに、的、がでかくなることを意味します。

    撃たれた場合に耐えられるように装甲しなければなりませんが、背が高くなればその装甲しなければならない面積が増えてしまいます。

    装甲は非常に重いので、その分、動きが鈍重になってしまったり、負荷によって故障が増えてしまいます。

    さらには、橋を渡るときの重量制限により、戦場へ素早く移動できなかったり、重すぎて地面に沈み込んでしまい動けなくなるなどの弊害が生まれます。

    つまり、戦車と同じくらいの火力などの戦闘能力を人型で実現しようとすると、巨大で重くなってしまう、ということです。

    これは製造コストが嵩むのはもちろんですが、輸送コストはもっと大変なことになります。

    同じコストで戦車を作れば、もっといっぱい揃えられるわけなので、同じ戦闘能力ならば、戦車を作ればいいじゃんってなっちゃうわけですね。

    このように、人型である、というだけで、兵器として物凄いデメリットがあるのがロボットなんですね。

    ほかにもデメリットはあるわけですが。
    ロボット系の創作物はこれらデメリットをどうやって克服して、説得力をもたせるか、その設定に血道をあげるジャンルなんです。

    例えば、エヴァンゲリオンならロボット以外の兵器では特殊な能力を使う敵に対抗できない、みたいな設定を付与したり。

    ガンダムなら、レーダーなどの索敵システムが機能しない戦場になったせいで、至近距離での格闘戦をする能力が兵器に求められるようになったため、人型兵器が模索された、みたいな設定が付けられてたりします。


    『祈りの機神と騎士の刃』の場合はどうなってるかというと。
    これがファンタジー設定を上手く生かしてらっしゃいまして。

    もともとは、この世界はゴーレムを兵器として使ってたんですね。
    ゴーレムってつまり人型の岩の塊のようなものです。

    つまり、この世界は戦車などが存在してないんです。
    産業革命のずっと以前の、中世時代からすでに人型のゴーレムという魔術兵器が存在してたわけなんですね。

    そのため、ゴーレムをさらに強化発展させたものとして、EOEが作られた経緯があるっていうのが面白いところなんですよね。

    我々の地球だと、陸上兵器=車から発展したもの、ですが。
    この作品世界の常識として、兵器=ゴーレムから発展したもの、という概念なんですね。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する