こんばんは、あははCATです!
すでに花イベントは終了しているのですが、まだ読んでいなかった小説を完読しましたので感想を残したいと思います。(あじろけい様、執筆お疲れ様でした)
【花の散るらむ】 作:あじろけい様
▼花の散るらむ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889067272―Good Point―
・スタートの引き込みが好き
・真木くんとの出会い/郁ちゃんの恋心
・桜花(日本酒)を通した物語
・民間伝承(酒虫祭)が面白い
本作は「神隠し」という気になるワードから始まります。勝手な想像で申し訳ないのですが、私は咄嗟にジブリの温泉旅館をテーマにしたアレな感じなのかな、と思っていました。しかし最後まで読んでみると、とある地域の「日本酒」の民間伝承を紐解いていく面白い小説でした!
始めの段階で言うと、神隠し→日本酒の発想はなかったので驚きましたね。余談ですが、私は小説において始めの数ページこそが、読んでもらえるか決まるところと思っています。その点、本作は一行目から引き込まれました。
「幼い頃、佐倉郁は神隠しにあった」
読者はこの一行から「どんな神隠しにあったんだろ?」って疑問から入り、沸き起こる好奇心を持ってスクロールします。その一人が私ですw
モチベがグッと上がり、一話目をガッと楽しく読ませて頂きましたw
その後、郁ちゃんは大人になって偶然、とある日本酒と出会います。神隠しにあったときに飲んだものと全く味が一緒なのです。しかも、どうやらそれが幻の銘酒で、手に入れるのが困難な品物であるらしくて! なんという奇跡の出会い!
私もお酒が好きだったりするので、わくわくしちゃいましたw
ここからどんどん日本酒の物語に入っていきます。ですが、ただ日本酒の話が展開されていくわけではありません(なお、日本酒を知らなくても説明が入るので良きです)。物語に小気味よいスパイスが入荷されます。
郁ちゃんが神隠しのときに出会った桜の精の青年がいるのですが、その子とすごく似た人物「真木馨」くんと出会い、恋心を寄せていくのです!
この真木くん、めちゃイケメンくんで紳士的かつミステリアスな雰囲気を醸し出しています。丁寧な口調からビジネスライクな体裁と勘違いしそうですが、言うときはしっかり言える子です。まぁ、報告会ですから報連相が出来るのは当然なんですけどw
まぁ、どういうことかと言いますと、お祭りへ行くため郁ちゃんが田舎へ帰ろっかなと言った瞬間に「僕もご一緒していいですか」と言える子です。日本酒の桜花の歴史だったり、神隠しのことだったり、調べにいくんだよーという目的はあるものの、建前と本音が垣間見えて面白いシーンでしたw
ちなみに真木くんのことばっかり話していますが、郁ちゃんもとても初々しい様子が見れますよ! 真木くんのスケジュールをしっかり把握した上で連絡するところとか、好きな人を考えて行動する女の子って素敵ですね。けれど、影ではうきうきしながら服選びしてたりして、かわいい一面がありますw
さてキャラの話はこのくらいにしておき。
肝心の物語の展開に移りましょう。私が面白いと感じたのは、民間伝承の現在に至るまでの伝播の仕方でしょうか。現在でもたくさんのお祭りがありますが、果たして本当に正しい由来なのか。この作品を読んでから考えるきっかけを頂きました。
というのも、本作では平然とお祭りをやっている方々の裏で、残酷な真実が隠れているのです。いや、伏線だったので「隠れていた」というべきでしょうか。
郁ちゃんのところにやってきた雨戸を叩く音や真木くんの口から出た真実。すべてを知った後で、改めて作中で行っていたお祭りを考えるとゾッとしました。あじろ様の狙いだとしたら、もろにやられましたw
でも、その真実を知った上でなお、運命に立ち向かうように手を握り合う郁ちゃんと真木くんの姿に好感を持てました。生まれてくる子が女の子であろうと、きっと彼らなら守ってくれると思います。
と、私の感想は以上になります。なんだかうまくまとめきれなくて申し訳ありません。長々と書いてしまうのは、作者の方も目が疲れてしまうので反省すべき点なんですが、つい……w
ではでは、日本酒を通した素敵なキャラたちの小説を読ませて頂き、ありがとうございました!