【勝手に感想!編その3】長編SF(天慈様)

こんばんは。あははCATです。
新着小説の中から、私が気になったものを選んで感想を残しています。

※感想スタンス(長編)
短編同様に集中して読ませて頂きましたが、長編の場合は面白かったところと気になるところを列挙。気に入らないところはスルーして頂いて、一読者としての感想をつらつらと書いていきます。

【宇宙探検DD7計画】 作:天慈様

▼宇宙探検DD7計画
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888978945


【1話の感想】

◆面白かった点
・若い奴らは記号で表されている
どうやら少子化による影響で大変な状況のようですね。面白かったのは人間と空間人の違いを「O」と「X」で分けているところ。例えば、ノアは「AOA7」という名称なのですが、後に出てくるヨリ(リィン)は「FXF4」と表記されます。

英文字の中間の違いで見せるのは「なるほど」と思いましたw

・空間人の存在
この物語で不思議な存在を放つ空間人。彼らは一つの惑星にとどまらず、宇宙船に生活する者たちのことらしいです。宇宙の放浪者といったところでしょうか。1話を読んだ段階では、きっと何か介入してくれるのだろう、というワクワク感がありましたw

・世界観の背景
例えば、地球と火星がぶつかりそうになっている危機的状態。大きい事件なので、移住計画の話できっと盛り上がってくれるのだろうと楽しみです。また、中立的立場にあるゴードン星系の襲撃も危惧されており、色んな視点で物語が展開されそうな推測ができ、さぁこれから!という引き込みがあります。

◆気になった点
・ケリーとケンイチの会話している場所
どこで話しているのか分かりづらいため、場所の記載をお願いします。あるいは通信で行っているならその描写があると嬉しかったです。

・「なんと」について
これは全話を通して見えてきたことなんですが、キャラクターの台詞で「なんと」が結構目に付きましたwいや、個性的で面白いんですけど、1話で厳格な総裁も「なんと」と口にしているので、キャラとしてどこか違和感を覚えてw


【2話の感想】

◆面白かった点
・ノアちゃんと父ケレス総裁との過去
ノアちゃんはどうやらお父さんから優しさをもらったことがない様子。なんだか可哀想な子だなぁと読みつつ、実際にどんなエピソードがあったのかなぁと気になりました。好奇心いっぱいですw

・シンゴとタカオとの関係性
現状の移住計画に対して賛同するものもいれば、不満を持つものもいます。その世界観を背景に、友達同士で口論になっているさまはリアリティがあって良かったです。なんでもかんでもキャラが「YES」マンだと、話がつまらなくなりますからね!

◆気になった点
・急激な移動のせいで火星が大打撃
この文章を始め読んだとき「ん」となりました。おそらく移住による被害の記載だとは思うんですが、具体性に火星で何が起きているか分かりにくかったです。


【3話の感想】

◆面白かった点
・父親との喧嘩
この3話で初めてノアちゃんとお父さんが会うシーンが出てきます。これまでの流れからノアちゃんがお父さんに苦手意識を持っていたのは分かりましたが、どういう距離感か明確になってよかったですね。

・シンゴの内面
シンゴくんなんですが、キャラの中で最もケレス総裁に憧れと尊敬の念を抱いています。人と比較したがる節があるようで、ナオトさんのことをめっちゃボコボコに言ってたのは笑いましたwあと、ケレス総裁のように燃えるような恋をしたいという願望も面白かったですw

・ノアの驚くべき記憶力
リィンくんとの思い出を記憶しているシーン。驚くべきことに3歳の頃の記憶を思い出せるんです。いや、そういう人も現実にいるっぽいですが、ノアちゃんすごい!って感動しました。

・3話のナオトはノアに何を想うか
ナオトさんは執拗にノアちゃんに構うのですが、この時点では明かされないんですよね。3話を読んだ時点では、私はシンゴの言うようにごますりなのか、あるいは別の思惑があるのかと気になってましたw

◆気になった点
・移住計画の圧倒的短さ
私はてっきり移住計画で盛り上げていくのかと思っていたんです。母との別れも、友達との口論も、総裁たちの会話も、すべて伏線で移住計画中にきっと何かが暴発するのだろうと。ただ結果は、数行で移住が完了してました。
移住計画に対する口論は一体なんだったんでしょう(汗


【4話の感想】

◆面白かった点
・ヨリ=リィン
空間人のヨリが実はリィンだったことが発覚します。ドライデンの息子ってだけでどんな存在なんだろって好奇心いっぱいなのに、まさかノアと幼い頃に遊んだ相手だったとは。びっくりしました!

あとヨリが本当の母親と出会えたところは良かったですね。素直に感動しました。ただ空間人ってことは、アーネスト夫妻のどちらかが空間人ということなんでしょうか。

◆気になった点
・アーネストの対応について
妻のコーネアが倒れたとき、いい大人であるアーネストが「いったいどうしたらいいんだ?」と取り乱すのは少し残念でした。動揺してしまうのは良いのですが、最愛の妻がピンチのときに動けなくなるのは「そんなことしてる暇ないでしょ!」と言いたくなりましたw

・ドライデンが去ったこと
あっさりドライデンが去っていくのはショックでした。ヨリのことを十数年も育てているのに、いざ本当の親の存在を告白したからといって、そう簡単に諦めるのはどうなのかなぁとw後々にドライデンがヨリを心配してヘルプしてくれますけどね!

【5話の感想】

◆面白かった点
・ケレス総裁の大事なイベント
ケレス総裁が亡くなってしまう重大なシーン。作中で結構好きなキャラだっただけに、呆気なく死亡してしまうのでモチベが下がりましたwただ、それだけトップラスが強大な力を持っているということが分かる良きシーンでもあります。

◆気になった点
・ノアちゃんの先読み
ナオトさんが何か言いかけた後に、ノアちゃんが再婚という単語を出すシーン。ノアちゃんは、どうしてナオトさんが「再婚」っていうフレーズを出すと思ったんでしょうか。ナオトさんはそこまでデリカシーがない人なのかな。まるで心を読むように否定したので、ノアちゃんがちょっと怖かったです。


【6話の感想】

◆面白かった点
・スープ吹き出し
シリアスなシーンでスープの吹き出し。コメディかwって笑いましたw

・ケレス総裁の笑い
ナオトがノアに好意を寄せている話で、初めてケレス総裁の笑ってるシーンが出てきます。散々、無愛想なシーンしか見てこなかったので、ちょっと驚きました!

◆気になった点
・ノアちゃんのお母さんに対する感情
ケレス総裁が、サリナさんはケリー総督に浮気していると勘違いし、冷たくなっていたという話のところ。そこでサリナさんが思わず錯乱するのですが「今のお母さん、ステキ」はちょっと……w

・ケレス総裁の人選
なぜナオトさんを新総裁に選んだか、リョウゾウさんの口からいくつか語られていますが、ケレス総裁の真意も知りたいです。


【7話の感想】

◆面白かった点
・ケレス総裁の内面
7話にしてケレス総裁の恋愛模様が見えてきます。ただ、なぜかノアちゃんに対する言葉がないので、本当に嫁さん一筋の人なんだなと思いました。


【8話の感想】

◆面白かった点
・敵の背景が見えて面白い
トップラス提督とガリー総督の関係性が見え、トップラス提督のデマを信じてガリー総督も地球人との戦争に加担しそうな勢いが良いですね。話が大きくなっていきそうな匂いが好きです。

・物語がクライマックスに向けて動き出す
亜空間通信チャンネルを開いていたことにより発覚した、トップラス提督の非道な攻撃。これを知った主人公たちがいよいよ動き出していきます!小説を読んでる中で、私が一番好きな「クライマックスに至るまでの大きな転機」がきます!

◆気になった点
・ゴードン星系突入について
ゴードン星系に突入していく流れになりますが、色々説明がほしいです。
もはや戦争になりかねない状況で、子どもたちが一緒に突入する確固たる理由がありません。総裁を殺されたから仕返しをする、では厳しいかもしれません。私怨ならなおのこと、外交問題になるのだから慎重になる必要があります。肝心のナオト新総裁も簡単にOK出してしまうので、総裁の判断としてどうなのかと思いました。


【9話の感想】

◆面白かった点
・ノアちゃん、本気で心配するの巻
強気なノアちゃんが珍しくナオトくんのことを本気で心配します。今までうざったい子どもぶりを発揮していたのですが、ここはちょっとキュンときますね。

・ナオトさんの交渉
今まで端っこキャラと思われたナオトさんも、新総裁になった上に巧みに「ネゴシエーション」をこなします。いつからあなたはそんな出来る男になったんだってくらい、話をまとめていきますw

◆気になった点
・ガリー総督の信頼の勝ち取り方
ガリー総督がノアちゃんたちを信じる理由が「本当のことをいっているかそうでないかくらいは何となく肌で感じられる」はちょっと気になりました。例えば、亜空間通信チャンネルで通信士が傍受しているなら、それを証拠として挙げることもできたかもしれません(すぐに提示できるかは別ですけどねw)。
殺されるか否かの緊張的な場面なので、何か明確な理由を持って答えてほしかったです。

【10話の感想】

◆面白かった点
・ナオトさんの頑張り
何が良いかって、ナオトさんがムチでめちゃ痛い目にあいながら、トップラスに嘘を信じ込ませるシーンです。身体を張って頑張る男は格好いいですね! それもノアちゃんのために頑張るって言ってるんですからいい男ではないですか。でも、いつからあなたはそんなできる男にw

【11話の感想】

◆面白かった点
・トップラスの捕縛
父の仇とも言える悪者トップラスをようやく捕縛します。ただ欲を言えば、もうちょっとクライマックスっぽく盛り上げても良いのかなぁと。呆気なくトップラスが捕まってしまったので。

・帝国の背景が見えてくる
ゴードン帝国をはじめ、帝王とガリー総督、トップラスの思惑が見えてきます。ガリー総督が一番可哀想でしたね。帝王のために尽くしてきたのに、左遷された上に信頼されていなかったと明かされるわけですから。

【最終話の感想】

◆面白かった点
・ノアちゃんの次なる施策
ノアちゃんがお父さんの意志を継いで、深宇宙の探索計画に乗り出します。その名も「宇宙探検DD7計画」です! そして、今まで協力してくれた仲間たちと特殊連携チームを新たに作り、宇宙の海へ飛んでいきます。俺たちの旅はこれからだ!みたいに綺麗に終わって、明るい未来を思わせてくれるところが良きですね!

◆気になった点
・ゴードン帝国は……?
ノアちゃんサイドの話はどんどん進んで良かったのですが、ゴードン帝国サイドが全く描かれていなかったので気になりました。老衰で厳しい状態だったと思うので、そのまま衰退したのでしょうか。ガリー総督も平然と銀河連邦に亡命してきましたが、ゴードン帝国に何か思うことはないのかなぁと。

【全体的な感想】
この物語で大きな転機となる箇所は5話の「父の死」だと思います。そして、その死の理由を隠蔽して誤報を流すトップラス。ここから、主人公の動機が生まれ、仲間と協力して悪いやつをやっつけるぞー!という流れになります。その過程では色んなキャラの過去だったり、恋愛模様だったりが描かれて楽しかったです。

それから色々気になった点を言ってしまって申し訳なかったのですが、最後に一つだけ。クライマックスの盛り上がり(どんでん返し)をもっと強めに作っても良いかと思います。今のままでも帝国サイドの話が読めるので面白いですけどね!

ではでは、長々と感想を書いてしまい失礼しました。
長編小説を読ませて頂き、ありがとうございました!

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