こんばんみ。あははCAT(略称:キャハハ)です!
今回は新着小説の中から、私が気になったものをちょちょいと選んで、勝手に感想を残しちゃいます。作者様も知らないでしょうから、もし先方からNGが出たら削除するので、そこはご了承ください!
※感想スタンス
作者様からのご要望がない限り、面白かったところのみを書いていきます。なお、作品に対する改善策の意見は一切言いません。完全に私個人の意見なので、気に入らないところはスルーしてくださいw
【子守唄が聞こえる】 作:架月 夜様
▼子守唄が聞こえる
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889099573―Good Point―
・植物と野蛮人に征服されたディストピア的世界
・二百年前から可動しているアンドロイドとの出会い
・主人公とアンドロイドとの掛け合い
・幼馴染とアンドロイドの子守唄。そして名前が彫られた指輪
本作品の大きな特徴は、人間や動物がすでに追いやられたディストピアものであるということです。じゃあ何が世界を蹂躙しているのかと言うと、なんと植物! もともと人間たちは雲上都市に暮らしていたらしいのですが、日光を浴びてぬくぬく成長した植物たちが雲上都市を貫いて(?)崩落させてしまったらしいです。
これだけでもおそろしい現象だというのに、とどめを刺すかのように地上には野蛮人がいて、たくさんの人間を惨殺。ほとんどの人間は雲上都市の崩落で亡くなったのですが、生き残っても野蛮人に襲われて殺されてしまう……ディストピアものとはいえ、絶望の上に絶望を重ねたような設定に驚きましたw
ただそんな絶望的な世界観でありながら、主人公は奇跡的に生きていました。作中を読むと、主人公の暮らしていた雲上都市では3万人もの人間がいたのですが、生きているのはわずか30人。植物さんも野蛮人さんもホントやってくれましたねw
それから、20代後半のヒガシさんと共に、武器や食料の調達を目的として雲上都市の残骸へ向かう道を模索するエピソードが展開されるのですが、主人公が落としたナイフを拾おうとして落下してしまいます。その後、ヒガシさんが出てこなかったので個人的に残念でしたw
めっちゃ良き兄貴分っぽいキャラだったので、落ちそうになったときに「ふぃー間に合ってよかったぜ」とか、かっこいいヘルプをしてくれるものと思ってましたw
まぁ、それは置いておき。
この物語の根幹ともなるエピソードが、落下先で始まります。そう、アンドロイドとの出会いです! しかも200年前から可動している超駆動アンドロイド。ちなみにロボロボしているわけではなく、見た目は人間らしいです。ただし、過去に起きた雲上都市の崩落による影響か、左腕と両足を失っている上に右頬が抉られてロボの部分が露出した状態みたいですね。
このアンドロイドとの会話がちょっと切ないんですよね。アンドロイドがいる場所には、200年前に崩落した雲上都市の残骸があるわけなんですが、アンドロイドにとってそこは思い出の詰まった宝物そのもの(という風に読みましたw)。
そして今やほぼ動けない状態の彼(?)は、その崩落した雲上都市と共に散ろうと考えています。長い年月に終止符を打ちたいわけですね。
だから、主人公にお願いするのです。「私を死なせてください」と。
始めは主人公は断ります。置いていかれるのが嫌だってwちなみに落下したダメージで主人公も息絶え絶えだったりします。そして、タイトル名に出てくる「子守唄」の話が展開。印象的だったのは亡くなった幼馴染とアンドロイドの子守唄が一緒だけれども、歌っている言語や雰囲気が違うってところです。200年前はいったいどんな言語だったか気になりますね。
それから指輪の話。私はこの話から一つの伏線を想像しました。
実は指輪には主人公の名前が彫られていたらしいのです。その時点で「ええ!」って感じでしたが、アンドロイドは死後の世界で持ち主に返してほしいと願います。
私の推測では、おそらくその指輪は主人公の祖先のもので、雲上都市を構築するマザーコンピューターもアンドロイドも主人公の祖先が作ったものなのでは、と思いました。つまり、アンドロイドは指輪に対して、作ってくれた主人公の祖先に感謝の気持ちを込めているのではないか。そう想像したわけですw(作者様しか事実は分かりませんけどね!)
物語の最後はアンドロイドの子守唄で締めくくられます。
義理堅いキャラなのでしょう、主人公は約束を守って指輪を握りしめたまま眠りにつきます。きっと「死」を意味しているとは思いますが、その後は書かれていないので想像の幅は広がりますねw
と、長々と書いてしまいましたが、一番挙げたいことと言えば、主人公とアンドロイドの会話ですね。アンドロイドはちょっとお茶目なところがあったりして、ユニークでしたwロボットとこんな風に話せる日が現実にきたらいいなとも思います。
ではでは、勝手ながら感想とさせて頂きました。小説ありがとうございました!