Ogre Battle 54でウサギ飢餓についてちょっと触れましたが、ウサギ飢餓とはサバイバル活動を強いられる状況下においてウサギやそれに類した脂肪をほとんど持たない動物を食料として常食せざるを得ない状況に追い込まれた際に陥る偏食からくる栄養失調です。
兎は脂肪をほぼ蓄えておらず、またビタミンやミネラル等も不足しています。結果、これだけを食べていると蛋白質に偏重した状態になります。蛋白質自体はアミノ酸に変化するため生体にとってはもちろん必要なんですが、消化の際にビタミンやミネラルを消耗するためそれだけを食べているとものすごい勢いで死に近づいていきます。ただウサギ肉だけですべての必須アミノ酸が補えるとも思えませんので、ウサギ飢餓を抜きにしてもウサギ肉だけに偏るのは危険です。
蛋白質はアミノ酸の供給源である半面カロリー供給源としてはあまり良くないらしく、糖質や脂質を減らして蛋白質に偏るのは棺桶に片足突っ込んでるのと同じ状態です。
なお脂質が体内に蓄積したカロリー供給源のストックであるのに対して、糖分は主にその場で消費されるカロリー供給源である様です。
一説によるとウサギ飢餓の症状が出ると、過食症気味の状態になる様です。蛋白質ばかりで糖分や資質、つまり肉体のカロリー供給源が体内に取り込まれないために体が追加の栄養素をほしがり、次々と食べて結果高蛋白の状態に陥る様ですね。つまり、糖分や脂肪を取り込めば症状は治まります。
多くの狩猟民族は狩猟と同時に野菜や果物を摂取するそうですが、おそらくその理由がこれなんでしょう。
作中でも触れたマッスル北村氏は、飴玉一個も拒否してひたすら蛋白質ばっかり食べてたそうです。
バランスが重要だっていうのがよくわかる話ですね。
あと、脂身が好まれるのも趣味嗜好以上に、脳が本能的に求めてるのかもしれません。
参考……ジョン・ワイズマン著「SASサバイバルハンドブック」
ほか検証サイト様