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【感想】機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

以下では本作が三部作における序章でもある事を踏まえ、備忘録として感想を書いてゆく。
それ故、一応、ネタバレ注意とここに記載しておく。

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まず、初代劇場版三部作と逆襲のシャア以外には大した知識のない僕にしても、本作は面白かった。

となると、僕の感想は必然的にガンダムとしてではなく、一つのアニメとして鑑賞している訳だが、
「革命における理想と現実」というのは当然だが、
むしろ僕は、「特撮における現実」を垣間見た。

ウルトラマンが怪獣・星人と戦う時、往々にして街やビルは破壊される。
それは怪獣たちの攻撃だけであるのみならず、ウルトラマンによる攻撃であってもありえ、
事実、ウルトラマンメビウスでは一話かどこかにそのような内容があったと記憶している。

つまるところ、たとえヒーローであったとしても、被害だけを見るならばそこに正義はなく、
これまでの物語、例えばエヴァなどでは、ゼーレやネルフの財政などで、ヒーローの行った破壊を描いてきたが、
本作ではモビルスーツから見える世界と、市民から見える、それも平凡な市民とマフティーという集団から見える世界など、多角的にその破壊を描いているのが興味深かった。


一般に初代は、地球(大英帝国)に対して月(新大陸アメリカ)という構図、そしてその独立戦争を描いているとみることが可能だ。

では、本作において、マフティーはいかなる国家ならびに組織たりうるのか。
彼らは「例外なく」人類を宇宙にあげることを目的としており、特権階級である人物・組織を糾弾破壊している。
これは平等と資本家の撤廃という共産主義のように個人的には思われる。
となると、歴史的に見て、共産主義が台頭した損得を知る我々は、漠然と今後の展開を感じさせるものがあるではなかろうか。
※原作未読


本作を三部作であることを忘れていた僕は、思わず評価を誤りかけた。
というのも、改革・革命に対する葛藤が押し出されるものの、マフティーの政治成果の正否は勿論、葛藤への答えも曖昧であったからだ。

したがって、本作・閃光のハサウェイは「問題提起」であり、2・3作ではそれらへの試行錯誤と歴史的結末が得られるだろう事は想像に難くない、いや、そう願いたい。

時折挟まれる、ハサウェイの視野のぼやけ。
これは物語知識として「ニュータイプなのか?」と勘ぐらせるが、
単純に、目に見えているものが真実とは限らないことへの示唆とも言えるだろう。

多々アダルトな表現があるが、それによって、戦闘シーンだけでなく、日常的な部分もリアルさが増す。
現実の嘘っぽさに耐えられない現代の我々は、強い現実性を求め、虚構にリアルを見出すとされるが、
本作で何よりも上記の事柄を表現しているのは、モビルスーツではなく、ヒロイン「ギギ・アンダルシア」と僕は感じた。

ヒロイン贔屓の癖かもしれないが、文字通り「勝利の女神」と見るならば、彼女こそ、ララァやセイラさんの如き働きを見せると、視聴者は「経験」によって知っている。

面白いのは、源氏物語的に、母性を求めたシャアに対して、クェスという純粋な少女性に動かされるハサウェイという構図だろう。

あと、メイス・フラゥワーさんもすこ。僕にもおしぼりください。

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