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蟲師

 本当に気持ちの悪い字だよな。思う。
 私は虫が大っ嫌いなので、数多ある怪談話よりも、虫の話の方が数万倍怖い。
 霊は案外ドヤセせば居なくなる。
 あいつ等は私に切れられるとは思っていない。
 どういう気持ちなのかも知りませんが、私が切れるとひるむようではあります。
 立ち去りそうな刹那に、私の髪に触れようとしたので、「触るな!」どやしたら、首を捻りながら去って行った。※そのような雰囲気を感じました。見たわけでは無いです。ただ、男性を感じました。彼は優しい人であったと思います。誰なのかは知りませんが。
 マジ、眼に見えたわけでは無い。
 イメージが鮮明に頭にぶっ込まれるから、そのように錯覚するだけです。
 驚いて散らされるのなら、私よりもずっと優しい存在であるに違いありません。
 そんな話を冷静に描いていたのが「蟲師」と言う題名の漫画でした。
 私は普段漫画は読みません。
 漫画と言うのは、雑音が多過ぎる。
 雑音が何かは書きません。
 でも、まあ、確かに面白かった。
 不思議な事に、この漫画を読む様に勧めてきた人は、この漫画の作者を男性と思っていたようです。
 こんな訳の分らん話を真っ直ぐと腹に落として、痛みを静かに見つめられるのは女性しか無い。感じたから、私はずっと、この物語の作者を女性と認識していました。
 どんなに痛ましい事でも、女性は腹を決めて、えい!と、やれる。
 男性では無理。
 優し過ぎるし、何とかしようという覚悟が半端ないから、挑んで…。
 彼らはその後の話しかしない。はずです。
 失敗の話は語られません。
 私が現在女性として生きている理由もこのあたりなのかな、とも思います。

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