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運を使い果たした男2

 十年以上前の話なので、その当時は病名だけ分る段階でしたが、現在はどのグレードまで進んでいるのかが分るようになっているかも知れません。
 まだ話が本題にもどっていないか…。すみませんね。
 さてさて、運を使い果たした男の話。
 病院は縁故関係で様々な人々が居る世界なので、係長に負けず劣らず変な奴らが結集している空間でした。
 その中で、Mさん。
 極々ふつうの経路で就職した、唯一の常識人。
 彼の口癖が「ボク、運を使い果たしちゃったんだよね」
 彼は高卒で就職した人です。
 高校を卒業した後、4月1日の入社式までの暇な時間に、車の運転免許を取った友達の運転で、あちこちドライブしていたそうです。
 そんなある日、友達が運転をしくじって、崖をゴロゴロ転落!
 車ごと何回転もして崖下まで落ちて行きました。幸い命を落とした友達はひとりも居なかった、けれども、むち打ち症やら何やら体の変調は免れませんでした。
 でも、たった一人彼だけは全然無傷で、無事。
 彼のその後を考えると、そこでその人がどう思うか?が、重要な気がしました。
①俺、超持ってるじゃん?幸運体質ヤッホー。
②運を使い果たした。だから今後は超不幸。
 Mさんは後者でした。
 だから、朝、「お早うございまーす♪」と、フツーに挨拶して、仕事に取り掛かって、しばらくして、ふと、Mさんの方を何気に見ると…。
 宇宙人の土偶!?状態に目蓋が腫れていてビックリする。
 「Mさん、何だか大変な事になっているようですから、眼科のT先生に診てもらった方が良いのではないですか?」声を掛ける。

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