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運を使い果たした男

 確か、前に私が病院勤務を経験した事を書いたような記憶があります。※確認しないのは、私が面倒臭がりだから。
 当時所属していた部課の係長(私の上司)は、医者のバカ息子。馬鹿過ぎて医者になれないどころか、普通に就職も出来なかったヤツ。なにしろ、面接に挑むに当たって、空色のスーツと空色のスリップオンをコーディネイトしていたという強者。
 その上、私の同僚だった女の子の机の引き出しからおやつを盗んで貪り食っていたと言う…。まあ、そんなヤツ。
 そこでソイツの父ちゃんは考えた。
 そうだ、アイツをどやそう!
 強気に出られる後輩(アイツ)を脅して、とある病院の事務方に息子の身柄をねじ込んだ。
 医者の才能はさておき、大病院の婿養子というポジション確保した後輩に狙いをつけたわけです。
 なんだか、ヒドイ話系?と思われるかもしれないけど、ああいう一生続くカーストを背負った人々の間ではザラな話。なんですよ(汗)。
 ドクターXなんかに登場する「御意!」は耳にした事は一度も無いけど、大学のグレードは一生ついて回るみたいですよ。
 私が所属していたのは、診療情報管理室。
 何をしている所か?と言えば、診療情報を元に病気の種類によってコード番号を振って個別化して、世界中どこでもパッと見で判断可能となるようにしている部署。
 例えばB-333=脳腫瘍とします。
 ある人が海外の旅先で体調の異変を感じて病院に行ったとします。そうすると、現地のお医者さんはインターネットを通じて日本の診療記録を閲覧して、B-333を見つけます。
 このコードを見つけたら、ああ、この人は脳腫瘍の患者さんなんだ、と判断がつくようにするという部署。

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