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何でこんな時に

「何でこんな時に……」
言ったってどうしようもない。
そう言ってみたところで事態が良い方向に進むわけではない。

世の中の世間一般の人間は感情の動作を抑え切れずに悲しむことも怒ることもある。それは感情であって、人間の本質的な部分に関わる挙動であるから、その精神作用そのものを否定するわけにはいかない。まして文学屋なんてのはそういう感情を化学式の如く取り扱って作品の中に組み込んで行くのだから、なおさら否定しようがなくなる。というより、悪用しているのは君たちじゃないか……というのは、話が横道にそれてしまうので置いておくとして、だ。

「何でこんな時に」
話はそこに戻ってくる。
人がロシアに旅行にいこうと友人連で話し合い、向こうでウォッカを飲みザクースカに親しみサモワールで捻り出した紅茶を飲んだり、ロシア文学を楽しげに語ったりしようとした矢先に何故”戦争”なんぞを起こすのか?
自分勝手と笑う奴が居るならやらせておけばいい。あんなトンチキな経緯で戦争を始めるのに比べれば私のこの欲求の方が余程汎人類的な感情だろうと言えるし、全く冗談ではない。
適当なところで円をルーブルに変えておこうなんて思ってレートを見てみたら乱高下しているではないか。ふざけるな。こんな状態でルーブル入手してデノミネーションでもやられたら、一体どこの誰が責任を取ると言うのだろうか???

「何で、こんな時に?」
2月半ばにはコロナ陽性となり十日間の隔離を余儀なくされた。
予定は何もかもが順延。
もしかしたら何もかもが上手く行くかもしれない……という台詞の真逆の状態。
これはもしかすれば何もかもが駄目なのではないか?
そうした感情の萌芽が確かにあり、最悪ここで私が死んだら家にあるコレクション一般をどのように処分するのかについて考えることもあった。幸い今は生きている(まるで過去に死んでいたことがあるかのような言い回しだ!)

先月初めに新人賞向けの作品を一つ仕上げたので、小休止。
何か短編の一つぐらい書いてカクヨムに生存報告ぐらいはしよう、と思いながらも手が伸びない。
その代わりと言っては何だが、書評だの思弁だのといったテキストはサポーター限定記事にメモがてら放り込んでおいたから、興味のある人はそっちを見て欲しい。

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