文乃綴

様々な国際紛争と、それらと反対に喜ばしいニュースとが入り乱れながら、世界は少しずつ、徐々に崩壊しつつある。 しかし、崩壊しつつある世界は混沌の闇の中に落ち、無秩序の世界となってい…

第一次世界大戦時に独立を果たした極北の後進国家・ベニキヤ。 航空機どころか工場すらロクに建っていない、見渡す限り木ばかりが目に映るこの国。主要産業は漁業――そのような弱小国家が、…

基本的に、小説投稿サイトで投稿される文章とは、詩・小説・批評の三つである。 ここで出てくる雑文は第四のテキストであり、第四のテキストとは、詩・小説・批評のどれでもないもののことを…

著者の初恋話の、その覚え書き。

第二次世界大戦後、内戦を経て東西に分断された二つの日本国家は、相互に戦場へ軍団を送るようになる。 台湾海峡、ベトナム――多数の戦場に軍団を送り込んだ二つの日本は、外国の地にて対決…

文学者・三島由紀夫は決起に失敗した。 一九七〇年十一月二十五日、何者かの裏切りによって本懐を遂げることなく戦後社会を生き延び続けた老作家・三島由紀夫は、とある青年との対話を繰り返…

荻窪にあるライブハウス『シルバーバレット』においてプログレッシブ・ロックの完コピバンドとして知られる『穢土』。そのキーボディストでありリーダーである主人公・廣川克己は、新型コロナ…

習作もあれば、目も当てられないものもあれ……。

ただアニメが好きで、声優に憧れていた少女・山本菜摘は上京し、専門学校で学び、努力の末に声優となる……。 彼女の唯一にして最大の役柄。声優・遠藤蓮花の代名詞と言うべきキャラクターと…

たまには詩を書きたい時も、あるんです

二〇二〇年七月四日。 シドニー・オペラハウスでの伝説的なライブを終えた直後に、世界的アーティスト「ハルコ・ミヤカワ」は急死した。 翌年二〇二一年、新聞記者・奥村剛男は新聞記者をや…

人と人との戦争は終わっていない。 しかし、人々が戦場に駆り出される時代は……終わりを告げた。 次の戦争時代、戦うために作られたクローン兵士が戦場に駆り出される時代。 それらを生み…

人間のクローンを作ることが許容される世界。 ショウケースに飾られるのは、嗜好品と化した少女たち。 その中に一人、全身に青い痣を持つ少女が居た。

「あなたと私はまた会うわ。きっと会う。車輪の下で」 彼女は確かにそう言った。 けれども私と彼女はそれ以来、二度と会うことはなかった。 ロマンティシズムと死の交差の先にある”向日葵…

幼い少女が、文明崩壊後の世界をハイラックスに乗って旅をする。 旅の先で出会う様々な人、モノ、出来事に対し、彼女の心は何を映すのか……。