いいや知らんね。知らんだろう。どの肉がどう美味いのかを実直に分かりやすく解説するからよく聞くんだ。
基本的に日本で食される肉は三種類。つまり鶏・豚・牛だ。この時点で鴨とか鹿は除外する。羊も。入手が面倒な地域の人々に対する配慮だ。馬も省くし猪も省くしヘビとかカエルは日本じゃ相当厳しい。私は読者諸兄に野生のカエルを捕まえて捌けというようなことを強要することが出来ない。
さて。
どれも美味しいじゃないかと思うかもしれない。
それは正しい。
正しいんだが、それぞれの良さがある。
例えば豚肉の良さは概ね脂身に付随している。ロースもバラも差した脂とカッチリした赤身の部分が組み合わさっている。
次に牛。牛は霜降りがどうだのと言っている奴は成金で味の良し悪しも分からんクソブルジョワだから無視して良い。牛肉のもっとも美味しい部分は赤身だ。
こればっかしは唯一無二であり、豚も鶏も真似出来ない。霜降りなんて基本バター食ってんのと大差はないのである。大体歳を食えば脂なんぞ受け付けなくなってくるし、味覚が研ぎ澄まされていけば結果的に牛に赤身を求めるようになる。
さて、鶏だ。鶏はいわば豚と牛の中庸であり、赤身・脂身(皮)ともに弾力があり、皮の少ない胸でさえも調理次第で様々な味わいを見せる奥深さがそこにはある。
値段としては牛>豚>鶏であり、鶏がもっとも安い。
先程の評価は概ね、ただ焼いた時のものであり、無論調理法によっても味は変わる。
例えば鶏・豚はそれぞれモモ・バラのような脂の差した部位が汁物と相性が良く、鶏は長ネギと合わせた蕎麦が、豚はタマネギと合わせた饂飩が美味である。
この場合、牛は煮るとどうしても硬さが出てきてしまう。固い脂身のスジを煮込むのは美味しいがこれは手間がかかる。牛すじ煮込みやらスジを使ったシチューなんぞを作ってみれば分かるがアレは大変手間がかかる。というか時間がかかる。かといって半端にやると食えないので面倒臭い。店のメニューにある場合はその裏に潜む手間に感謝するべきである。
ここで注目、理解するべきなのは
「高ければ美味い」
というのは大嘘……とまでは行かずとも、たんに金持ちの自慢の種でしかないということである。
先程言った通り、安くても鶏モモを小さめに切ったものとネギで醤油の味で作った蕎麦は基本的に下手な店で食べるより家の小さい鍋で作る方が余程美味しい。
豚についてはバラ肉を小さめのパックでも良いので用意して、適当に切ったタマネギと共にこれまた醤油の味で汁を作り饂飩を入れる。これも同様に、下手な店で食べるより美味いし、この蕎麦・饂飩の二種つまり鶏蕎麦と豚饂飩は一食辺りの原材料費もかなり抑えられ、しかも手間もない。何なら鍋一つで食事が完結してしまう。私が欧州旅行にいった時、一番食べたくなったのはこの蕎麦とコメであった。
というわけで、ソルジャーズ・レビューは今頑張ってます。一時期ハルスベリヤ叙事詩2をやりすぎて怪しくなったが更新を再開しています。
ソルジャーズ・レビューもそうですし、他の作品についても同人誌化を何とかしようと思っているので、期待していて欲しい。頑張っているので!