• 現代ドラマ
  • 現代ファンタジー

イリク・タルデスの物語

新作を挙げました。私は散々恋愛ジャンルが苦手と言っているんですが、「メメモリ」と言い、何故恋愛作品を書くのか、疑問に思われている方も多くいることかと存じ上げます。
私は元々ファンタジー作品が書きたくて、物書きを始め、続けています。そんな私のジャンルを聞いた母、私が恋愛書けないと言ったのに対してこんなことを言ったのです。
「恋愛書けない人がファンタジー書けるわけないでしょ」
そんなことは断じてないと思うのですが、言われたとき、ものすごく腹が立ったのをよく覚えています。
それから、恋愛ジャンルにチャレンジする私の反骨精神が全開になり、私は何故か「恋愛書けなくてもファンタジー書けるわ!」ではなく「恋愛書けないの克服してやる!」というベクトルで作品を作るようになりました。
私が恋愛書けないと言っていたのは、恋愛ものの通説として、恋愛ものは恋愛経験がないと書けない、というものがあるからでした。実際、恋愛と無縁な生活を送ってきた私がファンタジー小説に恋愛要素入れようとすると、主人公ばかりが愛されるチープな感じになってしまって、「私が書きたいのはこれじゃない!」となっていたんです。
そもそも、私はキャラクターと世界観の関わりを深く描くことが目的で書いているので、恋愛要素なんてメインに据えなくてよかったのですが、何せ、小二の頃から続けているというプライドがあるものですから、「書けない」自分や、書けないことを馬鹿にされても諦めて放置することが許せなかったんですね。
まあ、書けない、て言ったら、SFも書けないんですけど、それはそれとして。
まあ、頑張る方向性を間違えたかもしれないんですけど、恋愛ジャンルを書いたことで得られたものはありました。それが人の感情の機微を表現することですね。
まあ、以前もできていたといえばできてはいたんですけど、所作に感情を込めるのは下手だったように思います。今にして思うと、ですが。独り善がり、主人公視点の狭い視覚だけじゃなくて、物語全体を俯瞰して、キャラクター一人一人をつまみ上げて、織り込む。それが上手くできるようになったんじゃないかなって思います。

さて、新連載「シャルル」ですが、私は昔から名曲のタイトルを物語のタイトルにするのが好きでした。私一人で初めて書き上げた短編小説のタイトルは「見上げてごらん夜の星を」ですし。歌とかの雰囲気から着想を得ることはよくありました。
「シャルル」もそうです。ちょうど、当時制作した「イリク・タルデス」というキャラクターの背景設定がリンクして、このタイトルにしようと思いました。
イリクは思い入れがあるというか、なんだかよう余計なくらいに感情移入してしまったキャラで。その苦しみを書き出すことで昇華するような……そんな感じで書き始めたのがシャルルです。
何故、今日でなければならなかったのか。
それは今日がイリクの誕生日だからです。
以上。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する