天霧朱雀

増える罪人の話。

左近あまねは赤岸モナミと紅茶をのみながら、彼女の容態のレポートを纏めていた。認められている人格はふたつ。少女モナミと少年蒼也。あまねはこのレポートで成績を修めるつもりでいた。 短…

カチカチに凍ったままの秋。 凍ったままでがんじがらめだから、わたしはまだ秋を知らない。 だから、冬を語る。

自販機も駅も、他人がきいてあっと驚くような特別な出来事があった訳じゃないけど、 静に覚えている。 ありありと思い出すことができる。 しかしきっかけはごく小さくて また簡単に忘れて…

幼い少年はドレスに恋をした―― 星の光を紡いで織り上げた布には神秘が宿る。星の布エトワールによって作られたバトルドレスを纏う女性たちの名は戦姫（ドレッサー）。 これは、ドレスに恋…

彼女は彼の光であったし、彼もまた、彼女の光であった。 離ればなれになるそのときまで。

おまえの花のような笑顔はみてられない。 まっすぐな瞳でみられると苦痛で仕方なかった。 声は麻薬のようだったし。 ただ、その手はうつくしかった。

私には中学時代からの恋人がいた。 私と彼女の、愛の話。

第9回Text-Revolutions　Webアンソロジー「imagine」に投稿しようとしてボツになった小説（2本目）です。

夜更かしはいけないことだけれども長い休みでついやってしまうこと。 もしかしたら自分だけかもしれないけれど。 初めての100文字小説

1人のただの学生から見た社会を綴る小説 基本100文字小説です あくまで、個人の見解であり、人格等を否定するものではありません。また、誹謗中傷目的で書いたものではありません。

オホーツクに住むきうりは、毎日のように彼に会いに行き、彼と別れ、彼のいないひとりの海でただ、木の葉のように波にもまれる。

「正体を明かさなくてよかったのかい。」 「それは野暮というものでしょう運転手さん。」 「これはこれは失敬。」 「はは。」 「Zu sterben。だったか。若僧。」 「えぇ。」 …

全ては海へと向かっていた。

可愛い子にはごはんを食べさせたい。幸せな気分になってほしい。可愛いねえ……可愛い……。ほら、まだまだあるよ。お食べ……。 ただただ可愛い子がごはんを食べるだけです。 デイリーご…

美少女を崇めよ。それが、美少女型コロニーに住まう人類の信教である。 遠き未来、人類は『美少女型コロニー』より生成された『小型美少女艇』に乗り込み、調査や採集を行う日々を送ってい…

＊表題作「ラフレシアの家」は、第8回Text-Revolutions　Webアンソロジー「花」に投稿した小説です。 ＊「アマリリス」の歌詞はこちらのサイトから引用させていただきま…

春夏秋冬、君に焦がれた。 春は桜を待つ愚か者。 夏は男を愛した梔。 秋は輪郭のない金木犀の亡霊。 冬は首の落ちた椿。 男が愛した。女は愛された？ ちがう。それは、きっと……。

【掌編】今日も夜がやってくる。そして私は、その街を歩き続ける。 夜の街。そこは様々な思惑が行き交う世界。 一晩の散歩を通して、私の目から見た街の様子をつづる。

※カクヨム運営から本作が規約違反であるとの連絡をいただいたので、一部修正・編集を施してあります。この小説は全年齢対象です。

ありふれた日常。小さな生命。当たり前にある世界の尊さを見つめ直す機会を与えられた二人の若者のショートショート。 ある夏の日の小さな旅に関するショートショートを二方向から描き上げま…