学生時代、岡本綺堂先生の『岡本綺堂巷談集 魚妖 置いてけぼり』（旺文社文庫）を拝読しまして、鬼の百物語を書いたら面白いだろう、と不遜にも思いついて書き始めましたのが、《百鬼夜話》でしたが、これが若気の至り…… 十話ぐらいで頓挫してしまいました。
あれからン十年。
近年の、怪談、妖怪ブームに、ちょいと異議を申し立てたくなりまして、改めて《百鬼夜話》を筆にしてみよう、と、やっぱり身の程知らずが書き始めたという次第でございます。
それでも、
「ただ、鬼が登場するだけの百物語では面白くない。どうせなら、百鬼一話、夜を徹して鬼が語った百物語という態にした方が面白かろう」
と思いましたのも、不遜の極み。
岡本綺堂先生の足下にも及ばぬことは重々承知の上で書き始めてしまいました。
完結すればお慰み。
さてさて、どこまで書けますやら……