先日、直木賞を受賞した小川哲という作家がいて、この人のインタビューや対談を読むと、受賞作の執筆はノープランで書いて、後になってほぼ全て書き直し、だから時間がかかる(確か三年くらい)のだという。
「それは避けたいよね!!!」
と思う気持ちと、時間と手間をいくらでもかけて良いのであれば、
「それもやってみたいよね!!」
と思う気持ちと、今の私は半々である。
しかし実際には、公募に出す場合、今年の締め切りを逃すと次は一年後だし、年に二回以上の〆切があるところで自分の書く物を受け入れてくれそうな賞はごくわずかである。
つまり時間がないので、やはりとりあえずはプロットを緻密に考えないとダメだよなと思う。
下調べが必要な場合もあるし、自分が今あれこれ考えている長めの話は、どれもこれも有名な作品の世界を借りたり書き換えたりするものが多いので、ますます事前準備が必要なのだと考えるようになってきた。
小説を書くというと、泉のように書きたいことが湧いてくるタイプもいれば、ほとんど学者並に調べごとをして書くタイプもいる。
どうも自分は(この二つでいうと)後者らしいし、資料になる本を読むのも好きだし、それに近いことを今もしている。それは確かだが、だからこそノープラン型への憧れもあるのであった。