塚本邦雄 「綠珠玲瓏館」がヤフオクで安く買えたので、わくわくしながら読んだ。
本書は難解な短歌で知られる塚本邦雄が、何と自作を解説しているという夢のような本である。
で、案の定というか当然というか、難解な短歌を詠む人なだけに解説もまた容赦なく難解なのであった。
これでは難解さに尾ひれが付いているようなもので、初心者にはきついだろう。英語が苦手な生徒に「これでも読みな!」と英英辞典を投げつけるようなものである。
しかし私としては、難解な作品もそれなりに読んでいるので困るほどではない。むしろ「嬉しい、楽しい、大好き!」と叫びたくなるほどで、ドリカムというか、本当に隅から隅までびっしりと塚本節が冴えわたる、実に実に、本当に夢のような本である。