いま近況ノートの回数を見たら、今回で300回目である。
そこで特別な近況を書きたいところだが、せいぜいガラケーをやめてアイフォンを買いましたというくらいだろうか。指紋認証とか、音声認識とか、「へー」と思いながらあれこれやっている。
どうも新しい小説を書きにくい状態が続いているのは、自分の頭にある設計図の通りに書くのが退屈だからではないかと思うようになった。
というのは「夢三十三夜」のうどんの話をとても喜んでくれた人がいて、読み返したのが切っ掛けである。
久々に読み返してみると、アホらしくて楽しい。これまでに、書く前も、書いている途中も退屈でなかったのはこの話くらいかなと思い始めた。
あれは途中から急に造語ばかりになって、意味不明なのに意味が何となくわかるという、後でよく考えると筒井康隆が昔そういう話を書いてたなあ、とも思うのだが、とにかくあの変な調子でもっと長い話も書けるのではないかなと考えた。考えたというより企んでいる。