誕生日は毎年、一年ごとに新しくできて、やって来るものではありません。
いちばん最初の、おめでたい、狂乱と狂騒の、原初の爆発的な事件としての、たった一度の本物の誕生日の衝撃、その余波が、今でもなお、またまたまたしても、今年も同じ日にやってくる、そういうものなんです。
だから、その勢いに吹き飛ばされないように、防空壕に入って、同じ誕生日の人どうし、手に手を取り合い、体を雁字搦めに縛りつけて、天井から砂がザザーッと落ちても、虫歯に響くほど壁がビリビリと震えても、誕生日級の爆弾が落とされても、必死で身をかがめて、じっと耐えなければならないのです。
もうすぐ、あなたの誕生日ですね。
誕生日に備えて、今日も明日も訓練です。
先生は、あなたが訓練する様子を応援するふりをして、こっそりと日めくりカレンダーを早めにめくって、誕生日の到来を早めていますよ。それもこれも、あなたに強く、大きく、たくましく育ってほしいからなんです。
おや?
もう3月3日がすぐそこまで来ているようですが、本当は何月で何日やら、先生にも実はわからないのです。