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薬のように短歌を服用するの巻

普通の散文が身勝手なリズムを持った騒音のように思えてきたので、久々に塚本邦雄を読んだら、頭が整頓されたようになった。

やはり57577の韻律には大きな効果がある。伝統とは魔力と言ってもいいくらいの力である。

おかげで心身ともにスッキリする。



父とわれ稀になごみて頒(わか)ち読む新聞のすみの海底地震

医師は安楽死を語れども逆光の自転車屋の宙吊りの自転車

聖母像ばかりならべてある美術館の出口につづく火薬庫

炎天の河口にながれくるものを待つ晴朗な偽ハムレット

突風に生卵割れ、かつてかく擊ちぬかれたる兵士の眼



注:塚本邦雄は句またがりを多用するので、厳密には57577でない歌が多いです。

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