「謎解き カクヨムネクスト賞」を含む小説

師走――。師も走り回るほどに忙しい季節。 それはサンタも悪党も一緒だった。 仙崎とミクのコンビは依頼を遂行するためにクリスマス・パーティーが開催されているホテルへと乗り込む。 …

殺風景な部屋に異様な空気が漂っている。原因は言うまでもない、部屋を二つに分けるように設置されている『鉄格子』だ。 俺は椅子に座ってテーブルの上で手を組んだ。 ガチャ…

ダークミステリー短編作品です。 僕の心理を描写することによって、殺人なのか、事故なのか、自殺なのか。あいまいな物語がはじまります。 ※本作品は完全なフィクションです。実在の人…

「心不全じゃないかも。 　もっと深い、……“空白”みたいなものがある」 出版社勤務の女性が、自宅で静かに息を引き取った。 死因は心不全。遺書も争った形跡もない。 だが、刑事・朝…

この”パイプライン”は、人でなしが作った悪趣味なゲームのようだ。もしくは地獄のような、何かの罪を清算する場所なのかもしれない。繰り返される”参加者”達の死を眺めながら、そんな事を…

　学生向けマンションに住む女子大生が殺された。彼女は窓のカーテンを閉めておく習慣だったが、ちょうど犯行の瞬間、カーテンのわずかな隙間から室内の様子を目撃した者がいて……。 （「…

「幽霊など存在しない。この世にあるのは物理現象と、脳が見せる『バグ』だけだ」 大学の民俗学准教授・久我山蓮（くがやま・れん）は、端正な顔立ちに着崩した和装、 そして首には最新鋭…

「電気も地下鉄もある。現代知識でチート出来ないのに色んなことが、ザ★人★力。なぜ中世ヨーロッパ風世界で無双出来なかったのか、涙を禁じ得ない」 電気屋街になる前の大阪・日本橋は、…

　同僚の山本が住んでいる部屋には、鏡が三つも備え付けられている。しかもそのうち一つには、ありえない光景が映し出されるという。 　実際に彼の部屋へ行ってみると、それは最近よく売られ…

知恵熱を出してしまった鹿野秋子は、 保健室で一人の女生徒に出会う。 一つ学年が下の彼女は、 発熱と解熱を自在に操れる、 仮病使いだった。 彼女は秋子に、自分の上靴が毎日、 泥だら…

物と意思を通わせ、時に語り合う男『チッチ』 彼は八歳の頃、山賊の砦にて救い出された子供の一人であった。 「あの時なぜ自分が救い出されることになったのか」 その謎を解き明かそうと、…

苦学生の髙橋あやめは、家賃の安さで選んだワンルームマンションでラップ音に悩まされる。 なんとかお祓いをしてもらおうと調べた先で出てきたのは、『視えずの祓い屋・調香師左門大輝』の事…

　愛犬と朝の散歩。 　定番の散歩コースである山林を歩いていると、途中で犬が激しく吠え始めた。 　ちょうど見慣れぬ紫色の花が咲いている辺りだったが……。 （「小説家になろう」「エ…

女子大生の私には、仲良しの叔父がいる。二回りも年上だけど、私とは友達のような関係だ。勉強の合間に食事や洗濯などのお世話をするために、時折り叔父の元を訪れているのだが、今日は相談事…

婚約者・湊が失踪した――彼女の行方を求め、木場はある探偵事務所の噂を聞く。 『とある高層オフィスビルの最上階に探偵事務所がある。そこでは探偵が会った瞬間にすべてを解決する』 …

伊豆半島が本土との合体を遅らせた世界。天然の要衝たる富士山が存在しない日本で、源頼朝は、守りの固い内陸・信濃の地を選び、幕府を開いた。 それから数百年。信濃は内陸の首都として機…

俺は「ピョンポコ」、異世界のうさぎだ。元人間の、芸人志望。もふもふ特権で警戒心ゼロのまま悪人の懐に潜り込み、巧妙な不正の証拠を掴む。隠された悪事、そしてそれをいかに暴くか？ 超ジ…

　夜道を歩いていると、私のあとをつけ回す男がいる。 　ストーカーだと思って、慌てて交番に駆け込んだ。 　最初は無視されたが、親切な警官二人組が対応してくれて……。 （「小説家に…

帝国屈指の交易都市バルハイム。 守銭奴で情報屋の顔も持つ行商人、メル＝ミルディアは、いつものように商談と情報収集に明け暮れていた。 そこに現れたのは、消えた姉を持つ少女、ノエル…

間違い電話に出たら、俺の誕生日で“知らない鍵”が開いた。 翌日、警察に姉の遺体を確認させられ、裏社会に追われ── 気づけばバーのオーナーになっていた。