「蝉 亡骸」を含む小説

　題名の「空蝉」の字面から連想。 　つい先日、内田百閒の短編集を読みました。 　翡翠色の蝉と、脱殻になってしまった亡骸の話です。 　 　⋆作品はフィクションです。 　⋆実在の事物…

夏なので。蝉の生態はエアプです。 メスの蝉、鳴かないらしくて笑う。

庭の木陰で、年をまたいだ蝉の脱け殻を見つけた。 中身を無くしても変わらぬ形を保ち続けるその脱け殻は、まるでわたしのようだと、自身を笑う心すら、もう残ってはいなかった。

俺は今日仕事を休んで砂浜にいる。期待したようなこころの動きは何もなく、ただ、自分が人生に飽きていることが認識されるばかり。独り言を呟いていたら、急にそれに応答がある。それは、二十…