「純文学 人生」を含む小説

五分ていどで読めるコーヒーや紅茶にまつわる短編。第二弾のテーマは「塩をひとつまみ入れたモカ・ハラー」です。 加治壱成（かじいっせい）は、個人で興信所を営むおじさん探偵。同級生の葬…

その男は、雨の訪れと共にやってくる。 中学校教師の女性、露木は或る日不思議な男と出逢った。暗闇の中で歌う男は『ソラシド』と名乗り、毎回雨が降る夜に露木の元を訪れるのだった――真面…

世界中が困惑したコロナ問題。主人公、雨宮雅夫が経営する飲食店も例外ではなかった。雅夫は家族・従業員を守るため、いろいろな知恵を集積し、経営の維持に努めた。それに伴い心身のストレス…

とある場所に、一人の小説家がいた。彼は戦争を奨励する政府の口車に乗り、世論捜査に積極的に貢献した。 戦争を美化する小説を多く出した。 だけども、そんな彼に転機が訪れる。 弟の死…

　高校に入る頃には、由美は心理学や哲学に興味が移行していた。 　文章や散文詩、気が向けば絵画も自分の好きなように描いていたが、自分の好きなもので生活したいほどの強い要求は見いだせ…

煙草は一箱二十本入りで、全部同じ味。 これは全部違う味、違う話。 （2023年に一旦完結したのですが、想像以上に紙巻煙草が少なくなっている現状に危機を感じて再開しました）

人生も終盤に差し掛かった男が、残された人生を俳句に託そうとする。ある日、虫の声を耳にする、すると昔の記憶がよみがえった。あの日に帰りたい。

　大学生の「私」は自分の理想像とそれに追いつかない現実とのギャップに苦しんでいた。果てには目的すらも疑い、ただ部屋でスマホをいじる生産性のない時間を過ごしていた。 　そんな時、見…

豊がSNSで出会った一人の女性の人生観が見せる人間という存在の不完全さ。

大正時代の姫奥島には、長姫制度という独自の文化が存在した。珠景姫の妹として生まれた 色歌 は、侍女の立場でも姉を支えていた。 しかし、物語は突然動き出す。 17歳になった珠景姫は…

　ここは、さまざまな種族が生存する世界。 　主人公であるベルメルシア家の御令嬢アメジストの種族は、人族（ひとぞく）。 　自分の信念を曲げない正しき道を歩む彼女は、とても慈悲深く、…

話す、話す、話す。 一定のリズムで心地よく続く2人の会話。 彼らだけの空気感。彼らだけの温度感。 僕たちは間に割って入れないけど、少し遠くで聞いていたい。 そんな2人の人生のお話

社会の理不尽や自己の能力不足によって失敗した青年がとある路地で怪しげな占い師に声をかけられる。占い師はどこか悲しげな姿をしており、自らの境遇と同情した青年は話だけでも聞いてみるこ…

妻と八ヵ月の赤ちゃんと、三人で過ごす穏やかな休日が、ぼくの人生を変えた。 その一日のことを、ぼくは絶対に忘れたくなかったーー。

鏡の中にあるのは、期待通りの自分だ。なのになぜ、その瞳は寂しそうなの？ 人生の折り返し地点を目前に、自分の選択を見つめ直す作品。

ーー世界は壊れているのだろうか？ーー　 柳岡弘志。交番勤務の警察官。既婚者、子供一人。そんな普通の男性が引っ越してから始まる。過去と向き合い、変化し、そして、・・・　 ーーー悪…

あなたは忘れ物をしたことがありますか？ 筆箱や宿題を家に忘れたりなどの経験はきっと多くの人にあるでしょう。もし、そんな忘れ物達を届けてくれるお店があったら……。 このお話は…

ただ感受性のままに私が集めた暗がりの向こうにある景色。 世界は歩くたびに発見がある。その心の目を瞑る事が世界のことわりを知った知者となりうるのだろうか。否、もがき苦しみながらも掴…

私は私の最期の景色までしっかりと私が望んだようなものであったと思う。 私は元来、恒星によって煌めく宇宙という事物に羨望なのかもわからない多大な好奇心を抱いていた。 そして私の最期…

あるクリスマス。人生に飽き飽きした「私」は宛てもなく街を彷徨う。行き交う人々は五月蝿く、人の声すら煩わしい。蚊柱の中に迷い込んだようだ。 自宅で帰りを待つ家族は皆、自分の殻に籠っ…