お盆の公式自主企画「怖そうで怖くない少し怖いカクヨム百物語」には、600作品ものご参加をいただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
9月18日には配信イベントも開催し、その中で優秀賞となる3作品が決定しました。今回の特集では、惜しくも優秀賞には至らなかったものの、カクヨム運営が気になった4作品をピックアップし、ご紹介いたします。なお、本特集のレビューは、公式自主企画「怖そうで怖くない少し怖いカクヨム百物語」のレビュー投稿キャンペーンにご参加いただいたレビューより選ばせていただきました。キャンペーンにご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました!
今回ご紹介する作品は、古本にまつわる少し怖い体験談、祖母と訪れた神社のお祭りでの体験談、異世界へ行けると噂のエレベーターの話、そして古い日本家屋での奇妙な体験談の4作です。
秋にも読みやすい、寒くなりすぎない「少し怖い話」をぜひお楽しみください。
好きな作家の小説を古本として破格の値段で手に入れた。評判通りの内容に夢中になって読んでいたのだが……
まず作者様の文体を素敵に思いました。購入した小説がどんなに素晴らしいものだったか、どれほど楽しみに読んでいたのかが伝わってきました。自分もその作品を読んでみたいと思わされるほどでした。
それなのに……
遭遇した出来事にもギョッとしましたが、タイミングが最悪すぎます!ぶち壊しじゃないですか!!
その作品を読んで得られるはずだったものが、得られなくなってしまう。多分、その時も、その後も。
恐ろしすぎます。犯人の意図したベクトルがどれかはわかりませんが、物凄い悪意です。
絶対に遭遇したくないと思いました。
夏休みで田舎のおばあちゃん家に泊まりに行った主人公は、毎年楽しみにしている神社の夏祭りにおばあちゃんと出かけます。
ところが何故か二人で異界に迷い込み……???
最後まで読むと謎が解けます。
私はこういうの好きです。
僭越ながら笑ってしまいました。
公式自主企画にピッタリだと思います。
皆様も是非!
手順を踏むことで異世界に行くことのできるエレベーターの都市伝説――耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
主人公の住むアパートのエレベーターにも、そんな噂がありました。
そのために、オカルトマニアの若者が毎日のように訪れるのです。
でも、異世界に行ってしまう人など勿論現れず、だから主人公も"その日"訪れた三人のことを、最初はそこまで気にしていなかったのですが――
この作品のストーリーの流れは、「怖そうで怖くない少し怖い」という言葉がぴったりです。
もしかしたら、彼は――
ひとさじの不穏さが後を引く物語を、ぜひあなたの目で確かめてみてください。
なるほど。多分こうだろう。
と、裏が判った場合でも。だからこそ怖い、その理屈を踏まえた上でこれからも同じようなことが起きるのだろうか、あるいはこの判った事で説明出来ない時、どうすればいいのだろうと、そう思うとやはり恐ろしい。
そんな、いわゆる心霊現象の話では味わえない、じわじわと来るホラー。
少し違った角度でのホラーを味わいたい方にお勧めです。