7月となり、蒸し暑い日が増えてまいりましたね。担当の私は、愛犬のために完備された空調にすっかり甘えてしまい、快適な引きこもり生活を満喫しております。引きこもっていても、カクヨムがあれば退屈することはありませんね。
 さて、今回は「異色のユニークスキル」が登場する4作品をご紹介いたします。ハズレだと思ったスキル『レベル1』がとんでもないチートスキルで無双する物語、ただ綺麗にラベルを貼れるスキル『ラベル貼り』を持つおっさんの物語、行動するたびに新しいスキルを得る主人公の冒険譚、『癒しの極意』というスキルを持つ健康マニアのサラリーマンの物語。
 それぞれ一風変わったスキルが物語の鍵を握っており、そのスキルが予想外の力を発揮することで読者の皆様を驚かせることでしょう。ぜひ、この機会に新しい世界観をお楽しみください。

ピックアップ

設定やゲームのようなシステムが面白く、読んでいてワクワクしました

  • ★★★ Excellent!!!

 異世界転生して冒険者になる主人公ユウトの物語です。設定やゲーム的なシステムが面白く、読んでいてワクワクしました。

 主人公ユウトが貧しい境遇から這い上がろうと努力する姿に共感しました。外れスキルだと思われていた【レベル1】が実は大当たりだったというのはニヤリとさせるいいどんでん返しだと思います。

 登場人物の描写も生き生きとしていて、特に優しい養母のサオリや熱血漢の教官タイソンが印象的でした。太った意地悪な男の子との確執も今後の展開が気になるところです。

 文章は平易で読みやすく、臨場感あふれる場面描写で物語に引き込まれました。勧善懲悪のストーリーは読後感も良く、この先の主人公の活躍も楽しみです。次の話が待ち遠しくなる面白い作品だと思いました。

ラベル貼りの能力、侮るなかれ。

  • ★★★ Excellent!!!

ラベル貼りの能力だけで、ギルドの倉庫管理の仕事をしてきた主人公。
ただラベルをきれいに貼れる。それがいったいなんの役にたつのか。そう思いつつ、達観し始めた40歳。
せめてもの閑職も、若さもなくし、周囲の力のある若者にバカにされるおっさんが、自分の能力に気づき、冒険者をめざす。

このおっさん、冒険者なんてやっていけるのか、大丈夫か?
と思えば、、、ラベル貼りの能力でそんなことが!

当のおっさんと共に驚きつつ、活躍していくおっさんの様子を楽しく拝読させ頂きました!

40歳。仕事ラベル貼り。解雇されたその時から、おっさんの全てが動き出す。

そんな冒険のお話を、皆様もぜひ!

スキルに関する概念が変わってしまいそうで面白い!

  • ★★★ Excellent!!!

この主人公さん、羨ましくもあり、気の毒でもあり。
何かするたびに、使えるスキルから持ってると自虐しそうなスキルまで、どんどん増えていゆき……通知がるさくてしょうがない。

そんな新しい発想と展開が、滅茶苦茶面白いです。
もしかして、身の回りの生活って、全部スキルで成り立っている?
そんな風にも思えてしまいます。

美人の幼馴染もいて、どんな関係になっていくのやら。

きっと数あるスキルを使って無双状態も夢じゃない?
そんなわくわく感も満載。

読みやすいし笑えるし、ちょっと同情することも。
じっくりでも時間の隙間でも、読んでいて飽きない、オススメの一作だと思います。


「ポイントカード制を導入した方がよさそうかな……」

  • ★★★ Excellent!!!

普通に読んでいたら、主人公がこんなことを言い出すので爆笑しました。その能力は文字通りの「癒しキャラ」なのですが(どういうことかは本編を読めばすぐわかります)、そんなこととは関係なくこんなセリフを異世界でつぶやいてしまうおじさんは、別の意味でも「癒しキャラ」確定でしょう。非常にかわいらしいですね。
大まかには、異世界に手違いで召喚された健康オタクの中年男性が、実はあらゆるものを回復させるスキルを持つことが発覚、異世界ピープルを癒すための健康ランドを造り上げるため一念発起!という感じのお話です。ちなみに↑のセリフは、晴れて健康ランドを開設、さてどうやって客足を稼ごう?という状況で出てくるひとりごとです。なぜ異世界に来てまでポイントカードがどうとか言ってんのか。すばらしい。友だちになりたい。
ほかにもサウナに対する妙に情熱的な解説とか、「あっ、いるよねこういう人」感が丸出しです。このままのんびり続いてほしいわ~笑