暑くなったり寒くなったり、どうも変な天気が続きますね。着る服がわからなくなった担当です。
 そろそろ店先にハロウィンのグッズが並び始めましたね。というわけで、季節先取りのゾンビ特集です。
 一口にゾンビと言ってもその切り取り方はさまざま。ゾンビ化してしまった人々の「人間だった頃」を描いたホラー作品から、ゾンビ映画のファンたちが実際に起こったゾンビパニックをいきいきと語る回顧録風の作品、ゾンビが発生した世界で30代無職が淡々とサバイバルする作品、果ては死人視点の日記まで、文字通りいろんな角度から楽しめる特集となっておりますので、ごゆるりとお楽しみくださいませ!

ピックアップ

ゾンビの数だけ「人間だった」人生がある

  • ★★★ Excellent!!!

小さな島に「ある異変」が起こったとき、島の住民はなにを思い、どんな行動を起こすだろうか。
本作は島の住民にスポットを当てたそれぞれの人生の短編集。サバイバルホラー。

島から抜け出し保護されるのが共通のゴールとなりますが、ゴールにたどりつける者はほんのひと握りだけ……。
ゾンビと戦い、逃れるのが、それほどにも困難です。

人々は必死に抗います。
噛まれてしまえばゾンビ化です。
パンデミックの始まりの中で、個性豊かな島民たちの「生き様」あるいは「死に様」を描いた物語。

もっと評価されてもいい。ぜひとも読んでみてください。

ゾンビウォッチャーはひたすら傍観者

  • ★★★ Excellent!!!

実際にあった記録や事件をベースにした、淡々と語られるナレーション付きの海外ドラマのような感覚で読み進められる物語。

地味な攻防を繰り広げるゾンビ vs. 人間。そこに現代のSNS時代も取り入れたゾンビウォッチャーとしての回顧録。

映画でのゾンビの描写と実際に起きた場合のつっこみどころが多くて面白い! そしてそれをひたすら傍観者でいるという主人公の視点もリアルに感じられました。

無職だけど強くて優しい主人公の物語。最高に面白いです!

  • ★★★ Excellent!!!

主人公視点で淡々と進む物語。
なのですが、抜刀術と手作り手裏剣で襲い掛かる人間とのアクション多々ありで読み応え抜群!

主人公は避難所には合流せず、自宅での生活を充実させるべく今日も今日とてコンビニやホームセンターに本屋さんと街中を探索をしていきます。
しかしその途中強盗に襲撃されたり(かなり頻繁)、国民を守るために潔く殉職した警官の遺体に出会ったり、子供を守るためにその身を犠牲にした女教師がいたりと、様々な出来事に出会います。

その一つ一つに主人公は向き合い、善意の心で自分にできることをやっていきます。

終わってしまった世界で懸命に生き延びようとする人たちと、できる範囲と言いながらついつい無理をしてしまうお人好しな主人公の物語を是非とも多くの方に読んで欲しいです。

死人の日記ほど、リアルなものはない。

  • ★★★ Excellent!!!

「死人」の目線で描かれる斬新な設定、日記みたいな形で読みやすいです。
しかし、どうにも謎が生まれる作品で、シンプルなのですが、妙にドキドキするのは私だけではないはず。

シンプルな文章だからこそ、徐々にくるシックな怖さがまたホラーを映画を見ているような感覚で楽しめるので、夜に見るのがまたいいかもしれません!!
深夜2時あたりとかいいですね(笑)
寝落ちしないようにアラームの用意を忘れずに!