夏休みは作家デビュー! 毎年恒例、高校生限定の文学コンクール!
668 作品
第26回ファンタジア大賞の大賞受賞。2014年7月19日、作家デビュー。作家歴7年。主な著作は『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』、『ラストラウンド・アーサーズ』、『古き掟の魔法騎士』。
ラノベ作家として、今回の審査に参加させていただきましたが、本当に素晴らしい体験でした。なんていうかもう、高校生の皆様の書く文章は迸る若さと勢いで溢れていて、パワーが凄まじい。確かに荒削りなところはありますが、問答無用で胸ぐらを掴んで引き込む力があるのです。こんな文章があったのかと、読んでいて目から鱗状態。「ヤバイ! 羊、ヤバイ! この子達がいつか同じ舞台に立ったとき、僕、対抗できるんだろうか!?」と、内心ドキドキしていました(笑)。彼らの書く文章はどれも自由、そう、自由なんです。ああ、文章創作って本来、こんなにも自由なものだったんだなと、改めて作家としてお勉強になりましたね、本当に。作家としての自分を見つめ直す意味でも、今回の審査に参加できたこと、とても感謝しています。そして、将来、この道で挑もうとする全ての皆様、月並みですが、頑張ってください。先達の一人として心から応援しています!
1992年に読売新聞社入社。記者として、横浜や社会部、北海道、長野で事件・事故などを取材した後、川崎、福島、さいたまなどの支局や地方部のデスク業務を担当。青森支局長を経て2020年2月から現職。教育ネットワーク事務局NIE部長兼務。
今年で2回目の参加となった最終選考ですが、送られてきた作品はロングストーリー部門、ショートストーリー部門とも昨年に劣らず、高校生らしい感性と豊かな想像力が発揮された作品ばかりで、読み進むうちに作品の世界に引き込まれ、選考を忘れて楽しませてもらいました。新聞記者経験が長いので、文章のわかりやすさ、作品のリアリティーやストーリー展開の整合性に特に注目しましたが、各作品のレベルの高さに、今年も深く感銘を受ける一方、結論を出すまでにかなり悩みました。
1997年カルビー入社後、近畿支店で営業に従事。2000年本社商品部へ異動。ポテトチップス、野菜スナック、新規商品などの商品企画・ブランドマネージャーを経て、2018年から現職。広告宣伝だけではなく、PR・イベントなど幅広く担当。
文学作品の審査員という普段経験させていただくことの少ない貴重な機会をいただきありがとうございます。
どの作品もいま、高校生のこの瞬間しか表現できないであろう感性を存分に発揮していただいた作品ばかりでした。
今回のカルビー賞では、じゃがりこ擬人化プロジェクトの今年のテーマである「じゃがエモい卒業制作!!」に関連し「卒業」をテーマに募集させていただきましたが、「卒業」の捉え方は作品ごとに様々で、卒業の別れの悲しさを表現された作品や、次のステップへの前向きな出会いを表現された作品など、読んでいて作者の伝えたい「卒業」に考えを巡らせながら楽しく読ませていただきました。
今回参加させていただいたご縁に感謝いたします。ありがとうございました。
中央公論新社入社後、文芸ジャンルの書籍編集者として勤務。2014年3月筑波大学社会人大学院にてMBA(経営学修士)取得。2016年3月KADOKAWA入社、カクヨム編集部に配属され、2017年2月より現職。
毎年、応募作品を読むのが楽しみです。今年も高校生の創作活動にかける情熱が伝わってくる作品ばかりでした。作品の完成度も一段と上がっているのを感じ、選考をしながら作品を選ばなくてはいけない悩みと素晴らしい作品を読めた幸せに煩悶していました。カクヨムという誰もが作品を発表し、読める媒体で切磋琢磨することが、みなさんの創作活動に良い影響を与えているのであれば、これ以上の喜びはありません。受賞した方も、惜しくも受賞にはいたらなかった方も、参加ありがとうございました。
春、出会いと別れの季節。
棄てられた線路、忘れられた駅、
錆びた留置線で朽ちゆく一輌の列車。
「卒業」を控えた或るローカル線へ紡がれる、精霊と少年の哀の唄。
【2021年4月1日、JR日高本線へ捧ぐ。】
深い海の中、わたしは物思いに耽る。
ずっと一人で。わたし自身を忘れながら。
とても簡素で表面的な海のお話。
海のことなんて、文章にはとても変えられないのだから。
音響と色彩の描写が秀逸で、余韻が残る作品です。思い続けた相手に選ばれなかった女の子の気持ちが切ない上、大きな悲しみに耐えられず、自分の心を閉ざしてしまった姿に、考えさせられました。
鈴木 稔(読売新聞東京本社 活字文化推進会議 事務局長)
心を閉ざしてしまっていた主人公がひとりの同級生との出会いから変わっていく様子を「色」をうまく使いながら表現されていました。出会いから卒業まで読んだ人の心をどこか温めてくれる作品だと感じました。
野堀 和哉(カルビー株式会社 マーケティング本部 PR・宣伝 担当部長)
全体の構成からディティールに至るまでレベルが高く、梅の花を使った効果的な演出が本作を強く印象付けています。身近な題材ながら、読者を「あっ」と驚かせる仕掛けまで用意されていることに驚きました。
舞台や登場人物の設定がよく練り込まれており、細部までリアリティを感じさせる描写に引き込まれました。2万字という制約の中で、異世界ファンタジーの世界観を書き上げた筆力を評価します。
主人公が“人生をテーマにした映像作品”をつくる独特な切り口で始まる本作は、その過程で競争社会を風刺しつつも、新たな可能性を感じさせる形で終結し、読者の共感を呼ぶ作品であると感じました。
ライトノベルの約束に則った展開かと思いきや、登場人物に秘められた悲惨な過去や、魔王×少女の凸凹コンビが織りなす関係性がよく描かれており、キャラクターの魅せ方に心惹かれる作品でした。
友人の恋模様を世話焼きな主人公が手助けする、という簡潔なストーリー展開に加え、実は孤独を抱えていた主人公の心情描写が余韻を残し、全体を通して読者の心に寄り添う作品であったと感じます。
高校生のみなさま、多数のご応募ありがとうございました。
「【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2021」【ロングストーリー部門】」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
選 評
豊かな色彩感覚と念入りな下調べに裏打ちされた緻密な描写から、目の前に美しい情景が浮き上がるように感じさせる、高い表現力に審査員一同感服しました。ほろ苦い青春を通じて主人公が成長していく様に、共感せずにいられませんでした。高い完成度を評価し、大賞に決定しました。