夏休みは作家デビュー! 毎年恒例、高校生限定の文学コンクール!
981 作品
第26回ファンタジア大賞の大賞受賞。2014年7月19日、作家デビュー。作家歴7年。主な著作は『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』、『ラストラウンド・アーサーズ』、『古き掟の魔法騎士』。
ラノベ作家として、今回の審査に参加させていただきましたが、本当に素晴らしい体験でした。なんていうかもう、高校生の皆様の書く文章は迸る若さと勢いで溢れていて、パワーが凄まじい。確かに荒削りなところはありますが、問答無用で胸ぐらを掴んで引き込む力があるのです。こんな文章があったのかと、読んでいて目から鱗状態。「ヤバイ! 羊、ヤバイ! この子達がいつか同じ舞台に立ったとき、僕、対抗できるんだろうか!?」と、内心ドキドキしていました(笑)。彼らの書く文章はどれも自由、そう、自由なんです。ああ、文章創作って本来、こんなにも自由なものだったんだなと、改めて作家としてお勉強になりましたね、本当に。作家としての自分を見つめ直す意味でも、今回の審査に参加できたこと、とても感謝しています。そして、将来、この道で挑もうとする全ての皆様、月並みですが、頑張ってください。先達の一人として心から応援しています!
1992年に読売新聞社入社。記者として、横浜や社会部、北海道、長野で事件・事故などを取材した後、川崎、福島、さいたまなどの支局や地方部のデスク業務を担当。青森支局長を経て2020年2月から現職。教育ネットワーク事務局NIE部長兼務。
今年で2回目の参加となった最終選考ですが、送られてきた作品はロングストーリー部門、ショートストーリー部門とも昨年に劣らず、高校生らしい感性と豊かな想像力が発揮された作品ばかりで、読み進むうちに作品の世界に引き込まれ、選考を忘れて楽しませてもらいました。新聞記者経験が長いので、文章のわかりやすさ、作品のリアリティーやストーリー展開の整合性に特に注目しましたが、各作品のレベルの高さに、今年も深く感銘を受ける一方、結論を出すまでにかなり悩みました。
1997年カルビー入社後、近畿支店で営業に従事。2000年本社商品部へ異動。ポテトチップス、野菜スナック、新規商品などの商品企画・ブランドマネージャーを経て、2018年から現職。広告宣伝だけではなく、PR・イベントなど幅広く担当。
文学作品の審査員という普段経験させていただくことの少ない貴重な機会をいただきありがとうございます。
どの作品もいま、高校生のこの瞬間しか表現できないであろう感性を存分に発揮していただいた作品ばかりでした。
今回のカルビー賞では、じゃがりこ擬人化プロジェクトの今年のテーマである「じゃがエモい卒業制作!!」に関連し「卒業」をテーマに募集させていただきましたが、「卒業」の捉え方は作品ごとに様々で、卒業の別れの悲しさを表現された作品や、次のステップへの前向きな出会いを表現された作品など、読んでいて作者の伝えたい「卒業」に考えを巡らせながら楽しく読ませていただきました。
今回参加させていただいたご縁に感謝いたします。ありがとうございました。
中央公論新社入社後、文芸ジャンルの書籍編集者として勤務。2014年3月筑波大学社会人大学院にてMBA(経営学修士)取得。2016年3月KADOKAWA入社、カクヨム編集部に配属され、2017年2月より現職。
毎年、応募作品を読むのが楽しみです。今年も高校生の創作活動にかける情熱が伝わってくる作品ばかりでした。作品の完成度も一段と上がっているのを感じ、選考をしながら作品を選ばなくてはいけない悩みと素晴らしい作品を読めた幸せに煩悶していました。カクヨムという誰もが作品を発表し、読める媒体で切磋琢磨することが、みなさんの創作活動に良い影響を与えているのであれば、これ以上の喜びはありません。受賞した方も、惜しくも受賞にはいたらなかった方も、参加ありがとうございました。
入院した主人公が目覚める前、祖母が漏らした言葉に揺さぶられました。介護の現実を通し、若い世代の本音をベースに描かれた家族の愛情を読み終えた時、蝉の鳴き声が響いてきた気がしました。
鈴木 稔(読売新聞東京本社 活字文化推進会議 事務局長)
「春季大会中止」。高校バスケ部のキャプテンだった明里は、新型コロナウイルスのせいで全国大会出場の夢を失った。
これは完全なるフィクションです。私はバスケ部でしたが、その当時は高校2年生でした。
しかし、先輩が卒業するときに私たちに伝えてくれた言葉を入れさせていただきました。
拙い文章ではありますが、私と同じ思いをした人に、そして後輩たちに、届いてくれると嬉しいです。
突然の大会中止という出来事を受け入れることができない主人公、それでも最後は前向きに進もうとする姿に心を打たれました。コロナ渦を生きるいまの高校生にしか表現できない素直で真っすぐな作品だったと思います。
野堀 和哉(カルビー株式会社 マーケティング本部 PR・宣伝 担当部長)
1つ1つのシーンが丁寧に描かれており、夏らしい情景やキャラクターの愛らしさがよく表現された作品です。テンポよく進むストーリーとも相まって、まるで短編映画を見ているような、美しい恋物語に陶酔しました。
今年の応募作のなかで最もインパクトのある作品でした。たった665文字で起承転結を成立させる構成力はもちろん、些細な兄弟喧嘩から始まり壮大なラストで締めくくられる展開には驚かされました。
告白に臨む少女の気持ちや、カーテンの裏側で起こる一瞬の出来事など、青春の刹那を見事に表現しています。傷心のままで終わらず、希望が垣間見える結末もまた爽やかな印象につながっており、高く評価しました。
世間の「普通じゃない」を「普通」にし続ける主人公の執念と、「普通」になれたと思いきやクライマックスで再びスイッチが入る瞬間に、一読者として震えました。全体を通して隙間なく狂気を描いた筆力に脱帽です。
主人公とかえるの軽快なやり取りを通じて、かえるの仕草や話し方に“あざと可愛い”が散りばめられており、「こんなかえるがいたら飼いたい!」と思わせてくれる、キャラクター愛に満ちた作品でした。
高校生のみなさま、多数のご応募ありがとうございました。
「【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2021」【ショートストーリー部門】」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
選 評
序盤のミステリアスな展開で注意を引きつけ、登場人物の“意外な”回答であっという間に閉じる本作は、読み手に強い印象を与えます。キャラクター同士の関係性も読者の予想を超えていき、狂気にも感じられる会話が腑に落ちた瞬間に見える世界の深さに、審査員一同驚嘆しました。