あなたのグルメ小説が料理動画化 or メニュー化!?豪華審査員とのコラボ企画が実現!
872 作品
この度はグルメ小説コンテストにご応募いただき、誠にありがとうございます。皆さまの食をテーマにした数々のおいしい物語を、審査員一同大変楽しく読ませていただきました。
今回審査するにあたり、最も重要視したことは、「いかに料理がおいしそうに描かれているか」ということです。料理を注文した後、その料理の登場する小説を読みながら、いつ自分のもとへ届くのかとワクワクしてしまう…そんな物語を選ばせていただきました。
また、佳作の2作品については、メニュー化には至らなかったものの、食事を独創的に、あるいは郷愁的に描いていることを高く評価いたしました。
角川食堂賞を受賞された2作品については、近日中に角川食堂にてメニュー化されます。皆さまのご来店を、心よりお待ちしております!
角川食堂
魔法使いの弟子である少女フィンは、師匠であるリックと森の中にいた。
世間では敬われ恐れられる魔法使いという存在。けれどリックはどこか違う。
まったく平凡で、呑気で、「おれは本当は料理人になりたかった」が口癖だ。
リックは今日も魔法を使いこなしている。美味い飯を作るために。
フィンは今日もそんな師匠を冷めた目で見ている。選ぶ師匠を間違えたと舌打ちしつつ。
日本から異世界に迷いこんだ理子は、紆余曲折を経て城の住み込みメイドとして働くことになった。
ある晩、お腹が空きすぎてキッチンに行くと、腹を空かせたレオと名乗るきれいな男と居合わせる。せっかくなので夜食に誘い、一緒に食事をすることにした。
もちろん、今夜のことは秘密である。
ソロ×ソロ=???
「時代が私に追い付いた。ソロ飯万歳」
一人黙々と食を楽しむ守屋実奈。それは自分と他人のスタンスを両方守る術でもあった。
そんなある日、美味しそうな鯵フライ定食にうっかり釣られて人事部の長谷川と相席することとなる。
視覚嗅覚聴覚、そして味覚すべてを使って、今日もご飯を満喫しよう。
お一人様を極める大学生、竹田真人には三年前、傷付けてしまった女の子がいた。
謝る機会を逃したまま彼女は遠くへ引っ越してしまう。
彼女と『電子レンジの中身が入れ替わる』現象を共有した時、竹田は思いを伝えることができるのか。
台湾料理と時々モノクロ写真、甘酸っぱくも少し不思議な恋愛がお好きな方へ。
また夜市へ行ける日を待っております。
※ このお話には電子レンジを誤った方法で使うシーンがあります。フィクションなので真似をしないでください。
地竜は地味。吐き出すブレスはただの衝撃波だし、飛ぶのも下手で、走るのも遅い。ちょっと鱗が固いだけしかとりえがないのが地竜だ。が、食生活にかける情熱はすごい。
そんな地竜の俺は、最高の食材を手に入れるため、ある村を訪れる。地竜がダサめと言っても、そこは竜。ドラゴンである、村人は恐れ慄いた。そして――
「この村で一番美人なうら若き乙女です。どうかこれで見逃してください」
――なぜか女を献上してきた。
「イラナイ……」
全然いらない。俺が欲しいのは、この地方で有名な、赤牛です!!
世界最強の勇者レナーテ。しかし、最強勇者にも悩みはある。
連日の激務に加え、足りない補給、仲間たちの喧嘩、過剰な期待、そしてママならぬ会話。
ついに勇者は旅立つ。1人飯の旅へ……。
これはおいしいご飯と、ちょっとコミュ障な勇者のお話である。
※「残酷描写有り」は保険です。
宇宙船の中でひと呼吸を置く船長とオペレーターのひとコマ。
オウル=宇宙船NOAH(ノア)の船長で、先発船が発見した新星に向けて航行中。
ミノリ=宇宙船NOAHに搭乗するオペレーター兼ジャーナリスト。
名前なき様々なゲームや物語のモブキャラ達。人知れず役割を果たす彼らの癒しは出番待ちの待機ルームでの食事。
好きな空間で思い思いに彼らは空腹を満たす。
【5話+おまけ完結】
小説家デビューを目指して、小説を書きさくっている私は、最近、年度末締め切りのいくつもの公募賞応募作品の執筆に追われているためか、心身の調子が、かなり悪い。
そのため、なにやら幻覚やら幻聴的なものに出会すことが多くなってきている。
とくに、この三日間ほどは、夜寝ているとき、ベッドの横に、もう十七年も前に亡くなった母が座っているのを明確に感じる。つまり、母の幽霊だ。
毎日こんなことが続くのと、母が私になにを望んで、幽霊として出てきているのかがわからないため、とりあえず、私は実家の寺院に行って、本堂でお参りすることにした。
実家に着くと、すぐに本堂で、お経をあげた。
本堂でのお参り後、お供え用として買ってきたケーキを、おさげして父と兄と一緒に食べることになった。
ケーキを食べるために、台所で、ちょうどよいお皿とフォークを探していると、高校時代に私が使っていた弁当箱を偶然見つけた……。
もし、この世界から卵も牛乳もなくなったらどうなるのだろうか。もし、いままで普通に食べていたものが、ある日突然食べられなくなったら……。
三食に一度必ずサンドイッチを食べる作家の先生の秘書をしている「僕」
てっきりサンドイッチが好物なのだろうと思っていたら……。
理由を聞いたら意外な言葉が静かに紡がれ始めた。
近所の誰とも付き合いはなく、毎日仕事に行って帰る日々の私。
ある日スーパーで聞いた歌が気になった私は、歌詞の一部を検索しようと「どんな」と入力したところで、不思議な予測変換を見つける。
「どんな記憶も思い出す料理」というその文面に惹かれ、それを検索してみると、
「その店の料理はとても美味しくて、そして二度と食べられない」という都市伝説のような話だった。
こんな話が流行ってるのか、と再び歌詞を調べようとしたが、その歌はいくら調べても見つからない。
翌日残業した帰り道、ふと暗がりに灯りを見つけて……。
とある事情を抱え、実家に帰ってきた私。
田舎だ、早く出たいとあの頃は毎日思っていたのに。
帰ってきた私は懐かしい匂いに、思わず立ちすくむ。
優しい兄に出迎えられ、出された食事を食べ始める。
食事に込められた兄の想いと、懐かしい記憶は……?
寒さに震える夜道で光の灯る屋台を見つけたら、何を売る屋台か分からずとも、そっと寄っていってしまう。温かな香りが鼻をくすぐると、すっかり心はお客さんだ。
今日のスープは「ウールを着るスープ」です。
あったまって、ちょっと良いものを手に入れて、気持ちが軽くなったら家に帰ろう。
三十代前半の白戸百合子は、太っている。
けれども、彼女に食べることへの興味はない。
温かくなり始めた春の夜。
ふと思い立って窓を開けると、美味しそうな匂いが彼女の鼻腔を擽った。
百合子の住むアパートの下に、惣菜屋が出来たことを知った彼女は、偶にはちゃんとした夕飯を食べようと店舗に赴いた。
(前編・後編 約5,700文字)
サラリーニャン(マン?)の猫山にゃん太郎は食品会社の企画部に勤める、冴えない中年猫。
今日も家族のために満員電車に揺られて、便所席で後輩に雑用を押し付けられて残業する情けない日々。
今、猫社会の中ではお手軽レトルト『にゃ~る』が大人気。
美味しくて、味のバラエティに富んだにゃ~るは大ヒット。
しかし、それはにゃん太郎の会社のライバル社の商品で……。
にゃん太郎の会社はにゃ~るに圧され、その業績の悪さからにゃん太郎はリストラ候補にされてしまう。
落ち込むにゃん太郎の元に現れたのは、就活中の息子、ねこ雄。
ねこ雄はそんな父の姿を見て、失望し「俺はにゃ~るのあるニャッスイにエントリーする」と言い出す始末。
そんなにゃん太郎は、息子に背中を押されて、最後の花道を作るため、新商品を作り始める。
5話完結。
人類絶滅後。
とても静かな朽ち果てた街で。
誰もいない荒廃した世界に、たった一人生き残った少女。彼女は人類最後の女子高生。
すでに終わってしまった無人の街を、相棒のカブを駆って食べ物を探して、死に場所を探しながらソロキャンプを楽しむ女子高生のお話。
パワハラ上司のせいで、毎日終電生活の 詩琴 玉里(しごと たまり)
疲れ果てて電車を乗り過ごし途方に暮れていると、闇夜に浮かぶ温かい光と赤い暖簾を見つける。
美人女将のマンツーマン接客に、ちょっと変わっているけれど美味しい晩餐。
さて、その顛末はいかに?
一五九二年。日の本は豊臣秀吉によって天下統一され、元号も「瑞祥」と改められた瑞祥歴三年の事。
出羽三山の月山にある忍びの里――月の里で修行中の亡国の姫、坂ノ上さやとその従者紫月の元に、かつて教えを請うた師である果心居士が来訪する。
果心居士はとある条件の食事をさやに要求する。
果たしてさやと紫月は、果心居士の希望の食事を用意することが出来るのか!?
将棋が得意な白香(しろか)の想い人は、いつも彼女の斜め後ろで保護者面をしている。
今日はこども将棋大会。今日も想い人はお弁当を作って、彼女の斜め後ろをついてくる。
大気汚染が深刻化し、宇宙飛行士みたいなマスクをつけないと血を吐いて死んでしまう世界。
主人公は人前で歌うことも、ダンスすることも知らないで育った。
魔法時計の旅で知り合った「彼」に主人公は惹かれる。彼は音楽や映画、ありとあらゆるアイデアを発表する仕事をしていた。
ある日、主人公は不思議な夢を見る。それには人類が生き残るためのヒントが隠されていた。
そのことを伝える前に彼はこの世界から消えてしまう。
どんなことがあっても希望を捨てない主人公は、消える5分前の彼に魔法時計で会いに行くのだった。
カクヨム6周年記念を祝う「カクヨム誕生祭2022 ~6th Anniversary~」の目玉企画として実施しました本コンテストに、多数のご応募をいただきありがとうございました。
グルメ小説としてのおもしろさや料理を美味しく見せる表現の工夫など、求める作品像「思わずご飯が食べたくなる」に合致する作品を様々な観点から評価し、受賞作を決定いたしました。
カクヨムユーザーの皆さまと共に、グルメ小説の「実写化」という新しい取り組みができました事に感謝いたします。
なお、料理研究家リュウジさんによる受賞作の料理動画は、YouTube KADOKAWAオフィシャルチャンネルにて配信予定です。ご期待ください!
カクヨム編集部