野垂れ死ぬまで死ねない

シングルマザーの苦悩が事細かに描かれます。
悲鳴にも似た心理描写には心が動かされます。

しかし、この作品のいいところは、ここで終わらないことです。

夫の視点があり、これも秀逸なのです。
もっとも、夫の見解はかなり身勝手なものですけど。

しかし、二人の視点があることで
互いに相容れない事情があり、
そのことが悲劇を生むという物語になっています。

作者の方が冷静な目で描ききった賜だと思います。

是非、ご一読を！

離婚して、精神的にも金銭的にもギリギリの生活をするシングルマザーの女性。
真情の吐露で進む物語からは、女性がどんなに辛いか、苦しいか、そして頑張っているかが痛いほどに伝わってきました。
女性の気持ちになって読み進めておりましたので、どんどん胸がいっぱいになって、コメントでお伝えした台詞のところでは泣きそうになってしまいました。
そうだよ、この女性はしっかりしてる！ 頑張ってる！ 気づいてくれてありがとう……そんな気持ちです。

物事を一般論や理想的な人生、道徳なんかに当てはめて「良い」とか「悪い」とか言うのは簡単ですが、人の心ってそんな簡単じゃないって思います。決して「良い」生き方ばかりはで…続きを読む

　妻、夫、両方ともあるあるなんじゃないかと思う。社会が辛すぎる。なんでこんな風になってしまうのか。どうにかできないのか。
　これを読んで、「自分だけじゃないんだ」って思える。だからと言って自分の苦しみが消えるわけじゃないけど、もう少し頑張ってみようかな、って思える人がいたらいいと思う。