ルシフモートに安寧を

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（395文字）

「どうせ殺すんだ、その前に生き返らせてもいいだろ」だなんて衝撃的な言葉を投げるツンデレ皇子・シオン。
そんな皇子のツンを溶かしてデレさせるのは、主人公・夏樹の優しさです。言葉と行動で優しさを示す夏樹との間に広がる溝を繋ぐのは、サポート役・太一。
この３人だったからこそ事件は解決し、シオンも少しデレて（いい具合のデレです！）無事、夜明けを迎えられたのだと感じました。

ツンデレにも、ツン対応をしてしまう理由がある。そんな思いがじわりと伝わる作品です。

ちょっとツンデレ特化なレビューになってしまいましたが、スーツな太一はめちゃくちゃカッコいいし（私は太一のような設定を持つキャラに弱いので、彼が…続きを読む

密かに繁栄を続けていた地下帝国・ルシフモート。そこから地上に逃亡した犯罪者の手により、主人公でちょっと(いや、かなり)シスコン気味の男子大学生・夏樹は殺されてしまう。
しかし、犯罪者を追ってきた皇子・シオンがキリエという魔法の力を使い、夏樹は『子供の姿』で蘇る。
シオンと、シオンが作り出した人工生命体で優しい太一とともに、夏樹はルシフモートの危機と向かい合うことに……。

なまじ力と立場があるだけに、一匹狼タイプというか、おそらく帝国内でも孤立気味だったと思われるシオン。
最初は俺様モードで夏樹にもツンツンしているのですが、短いお話のなかで二人が心を通わせていく過程がとても良かったと思います…続きを読む

勇敢で優しく家族思いの夏樹がとにかく良い。大好きになって応援したくなっちゃいます。冒頭、無関係の女の子を危ない状況から助け出すために思わず体が動いた彼の描写で一気に彼のことが好きになって、さらにそこから家族思いであることが描写され、好感度が青天井。とにかくキャラが良いです。
夏樹とシオンが印象最悪な出会いをするものの、夏樹の行動や人柄に少しずつシオンが変化し、仲間となる流れがバディものとしての王道で最高でした。