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登録一周年、第一回犀川卯月賞、snonwdropさまのご感想

拙作をお読みくださる皆さま

こんにちは。佐藤宇佳子です。いつもお越しいただき、ありがとうございます。

マイページ情報によると、本日五月十七日が、佐藤がカクヨムを始めて一年目となるようです。ちょうど一年前にイソヒヨドリの連載を始めたんだなあと思うと、感慨深いものがあります。ちょっとだけ。


さて、犀川 ようさまが主催された「第一回さいかわ卯月賞」という自主企画に参加してみました。
https://kakuyomu.jp/user_events/16818093074716315948
犀川 ようさまのマイページ
https://kakuyomu.jp/users/eowpihrfoiw
佐藤の参加作品『佐砂井の郷』
https://kakuyomu.jp/works/16818093074845633845

「春」をお題に、2000から4000字程度未満の短編を投稿し、犀川 ようさまが「独断」と「偏見」でお気に入りの作品を決める、という趣旨でした。下記の連絡板より、選考の様子などが振り返れます。
https://kakuyomu.jp/works/16818093074716355261

大賞に選出されたのは、しぇもんごさまの『春に咲くおじさん』でした。
https://kakuyomu.jp/works/16818093075103731317
この作品、甘じょっぱい揚げせんべいみたいな感じで、くせになります。冒頭部、のっけからサイクロン式クリーナー並みの吸引力というか、海にも川にも汚水にも対応する、投げ込み式ポンプ並みの強引さ(もちろん良い意味で)があります。皆さま、一度のぞいてみてください。

そのほかにも、同じ「春」をテーマにしながら、これほどイメージの異なる作品が出来上がるんだなあと、わくわくする作品が目白押しでした。

例えば、ほんの一例ですが……

ヒニヨルさまの『ハルちゃん』
https://kakuyomu.jp/works/16818093074884148156
これぞ人生の春ですね。こんな可愛くてキュンキュンする話、書いてみたいものです。

豆ははこさまの『ただ、きみをみる。』
https://kakuyomu.jp/works/16818093075026185002
こちらは大学生のお花見飲み会の様子なのですが、はかなく幻想的で、とにかく美しいです。

刹那さまの『春なんて、死んでしまえばいい』
https://kakuyomu.jp/works/16818093076305619509
すさまじい迫力で切り付けてくる作品で、一貫して圧倒されます。

諏訪野 滋さまの『純情と桜』
https://kakuyomu.jp/works/16818093074125658735
好きだった人との別れと自己確認、そして決意を描く、きりりとした作品です。

大田康湖さまの『桜の花びら、ひらり』
https://kakuyomu.jp/works/16818093075118264576
お花見の光景を穏やかに描写しつつ、端正で堅実な表現が際立つ作品です。

全部で五十を超える力作がそろっています。ご興味のある方は、ぜひご覧になってみてください


上記企画に関連して、数作品をピックアップし、数多くのレビューをお書きになっているsnowdropさまに感想を書いていただくという特典がつきました。ありがたいことに、佐藤の作品『佐砂井の郷』も選出していただきました。
https://kakuyomu.jp/works/16818093076384845421/episodes/16818093077134570224
snowdropさまのマイページ
https://kakuyomu.jp/users/kasumin

ここまで細かに自作を解析していただいたことはなかったので、面はゆいと同時に興奮しながら拝読いたしました。自分の気づいていなかった作品の印象も知ることができ、とても貴重な体験ができました。

これを読んで思ったのですが、snowdropさまのストーリー全体の解釈は、矢口こんたさまの解釈と同じですね?! 矢口こんたさまからコメントをいただいたとき、ピンときていなかったのですが、たしかに、服を取り換え死者と生者が入れ替わるという解釈がとてもしっくりとくるのだなあと、今更のように感じました。

二人称小説って面白いですよね。もう少し遊びたいので、また折を見て書いてみようと思います。

さて、犀川 ようさまの「さいかわ賞」第二弾、「さいかわ水無月賞」が六月に始まります。

「第一回さいかわ水無月賞」レギュレーション
・テーマは「雨」
・本賞のための書き下ろし完全オリジナル小説(自作の二次使用も不可)
・字数は三千字以上六千字以下(字数厳守)
・ジャンルは小説であれば不問(エッセイ、評論・創作論、俳句・短歌・詩は不可)
・一人一作のみ
・しぇもんご卯月賞者及び鳥尾巻卯月特撰が参加する場合には予選免除。最終選考のみ
・タグに「さいかわ水無月賞」を入れる(カギ括弧は不要)

ご興味をお持ちの方、ご参加を検討してみてはいかがでしょうか?

10件のコメント

  • おはようございます。
    ただいま心の充電期間中のヒニヨルです。
    (もう少しで読み終わる大作は、出来れば今月中にレビューもしたいと思っています。ドキドキ💓)

    ハルちゃん、ご紹介下さってありがとうございます! 自分があまり書かないジャンルを書く、というのは楽しいですね😆チャレンジする時のドキドキと、出来上がった時の達成感は興奮しますね(笑)

    佐藤さまは次回も参加されるのかな?
    ヒニヨルは何か書いてしまうかもしれませんが、参加するかどうかは非常に悩ましいです😅(ミジンコハートなので!)
  • ヒニヨルさま

    こんにちは! コメントありがとうございます (^^)/

    心の充電期間は重要です。この充電具合で次の活動の質が左右されちゃいますからね。しっかり充電しましょう(自分にも言ってます)!

    ハルちゃんを拝読したとき、やべ、と思ったのです。お題は「春」だということをやや失念しかけておりまして。「春」を描くって、こういうことなんだなと開眼させられました。

    ヒニヨルさまのみずみずしい感性は素敵だと思います。最初のうち、正直言うと、自分にだってキュンキュン書けるふふん、と思っておりましたが、難易度高すぎでした。黒いものしか書けません (^^;) 人間、向き・不向きがあるということですね。

    でも、自分が書かないジャンルを書くという試みには魅力というか魔力があります。いずれは、ですね。

    次回はまだどうするか決めていません。考え中です! でも「雨」ってお題、綺麗ですよね。何か書きたいなあと思っています。
  • おはようございます。
    甘じょっぱい揚げせんべいからの、サイクロン式クリーナーと投げ込み式ポンプで盛大に笑わせて頂きました。最高の紹介文です。ありがとうございましたm(__)m

    そして『佐砂井の郷』についてのsnowdrop様の感想読みました。すごかったですね。こっちでとったかぁと唸りました。実は私も4回目くらいに読んだ時にこっちの可能性に気づいて、それ故に「こ、これはただの優等生じゃない!」となりました。読み方によって完全に逆に解釈できるってめちゃくちゃ面白いです。というかこんな風に読者が熱く議論したくなるところが名作なんですよね……やっぱりすごい作品です!!
    (余談ですが「すごかったです」という感想は失礼にあたるというお言葉を見て、とても恥ずかしくなったことを告白しておきます。でも私はもう手遅れなのでご容赦ください)
  • しぇもんごさま

    こんにちは。近況ノートへのコメントをありがとうございました!

    『佐砂井の郷』へのsnowdropさまのご感想はとても興味深いものでした。また、お読みくださった方の解釈に対する作者の受け止め方の違いもおもしろいなあ、と。

    私はしぇもんごさまよりも「わかって!」寄りの人だったんです。

    今考えるに、これは、もともとミステリ畑から「書く」を始めたためかと思います。ミステリって、伏線やトリックを意図したとおりに受け止めてもらえないと話が成り立たないですよね? だからそういう姿勢が前提にあったようです。……いえ、嘘です。こじつけです。

    今回、snowdropさまの解釈を拝読して、この作品に関しては、自分が意図したものでなくても良い、素直にそう思いました。

    私の想定ストーリーだとやや弱い(突っ込みどころがあるという意味で)ところがあります。かたや、snowdropさまのご解釈でも回収できない伏線があります。シノブの体が冷たいこと、シノブがほぼ何もしゃべらないこと、など。じゃ、どっちでもいいじゃん、です。

    生きていたのはどっちなのか。お読みになる方に任せてしまいましょう。このお話の解釈でお読みになる方の性格判断とかできたりして。

    「すごい」は会話になると私はあほのように多用しています。語彙力がなさ過ぎなのです (^^;)
  • 一周年おめでとうございます(*^^*)
    意欲的に活動されているお姿、勝手ながら見習いたいものだと励まされます。
    『佐砂井の郷』への精度が上がっているとのこと、良いですね。派生して新たな形に結実するとよいですね。
  • カワセミさま

    こんにちは。お忙しいところ、こちらにまで書き込みいただき、とても嬉しく存じます!

    意欲的と言いますか、すっかり仕事をないがしろにしていると言いますか(ゴニョゴニョ)……。もう少し、スマートに仕事と書き物を両立させたいところです。

    『佐砂井の郷』は私が種まきをし、読者さまのお世話でつぎつぎと花が咲いているような感じです。色とりどりに咲く花を私は興味深く鑑賞させてもらっています。ありがたいことです。

    いつも優しいコメントをありがとうございます。
  • こんにちは。
    読み終えてしまうのが惜しくて、でも、読みたくて、でご著作を拝読し終えたあとにこちらにうかがいましたら、なんと。
    自作のご紹介が。誠にありがとうございます。
    佐藤宇佳子様のご著作は最推しでございますが、きら星のごとき皆様のご著作がたくさんで、公式自主企画ではあるまいか、と錯覚してしまいそうな企画でございました。
    自分はsnowdrop様からのご感想はただただありがたく、いまだにコメントができずにおります。

    とにもかくにも、『ハシボソガラス』とイソヒヨドリシリーズ、そして、『佐砂井の郷』を拝読できましたこと、ほんとうにありがとうございました。
  • 豆ははこさま

    こんにちは。近況ノートにもお越しいただき、とても嬉しいです。ありがとうございます。

    拙作のイソヒヨドリ三部作をすべてお読みいただき、誠にありがとうございました。長く、しかも暗い展開の多い話で、辛くなることも多かったのではないでしょうか。豆ははこさまの作品は言葉が美しいのみならず、登場人物がとても優しく、丁寧で、気持ちよく読めます。拝読しつつ、自分の作品の乱暴さに恥ずかしくなります。拙作、まだ粗が多いにもかかわらずご評価くださり、優しいお言葉をいただけたことは、今後への力強い励ましになりました。

    犀川 ようさまの企画には、素晴らしい作品がこれでもかというほど集まりましたね。読み応えのある作品ばかりで、そのレベルの高さに慄然としました。そのそうそうたる作品群のなかで豆ははこさまに拙作を推していただけたことは、信じられない気持ちでしたが、とても嬉しく感謝しております。ありがとうございました。

    さらには、snowdropさまの感想も、読んでいて圧倒されるような緻密な解析と鋭い分析の連続でした。自分の読みでは気づかなかったことをたくさん教えてもらえる、貴重な機会となりました。

    これからも、まといさんたちの優雅な生活を楽しくかいま見に伺いますね。今後ともよろしくお願いいたします。
  • 佐藤宇佳子様、お返事を誠にありがとうございます。
    以前もお伝えしたかと存じますが、佐藤宇佳子様のご著作にはたくさんの方々が素晴らしいコメントをお寄せになられ、またそちらに佐藤宇佳子様が丁寧なご返信をしておられまして、自分が何かをお伝えすることができるのだろうかと恐縮しておりました。
    ただ、この度は、ご著作を完結まで拝読いたしまして、この気持ちはお伝えしたいと書かせて頂きました次第です。

    この機会に、コメントではお伝えできませんでしたことをひとつ追記させてくださいませ。
    自分は佐藤宇佳子様のご著作の『音』の描写が大好きでございます。人の動き、気持ち。鳥たちの動作、自然の営み。
    それぞれの音、響きを表された描き方を、いつもとても美しいと感じております。

    そして、自作長編を楽しんでお読み頂けておりますこと、ほんとうにありがとうございます。長い上にまだまだ続いております作品でございますので、どうぞ、ごゆっくりとお読み頂けましたらと存じます。

    それでは。
    こちらこそ、改めまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 豆ははこさま

    こんにちは。ご丁寧な追記をいただき、ありがとうございます。

    『音』の描写について言及されたのは初めてです。音をことさら意識して表現したことがなかったので、とても新鮮でした。

    以前いちど、比喩のことばが不自然だとご指摘を受けたことがあり、それ以来、気を付けるようになりました。とはいえ、ありふれた比喩のことば、擬態語・擬音語だけだと自分が満足できず、突飛になりすぎないようにしながら自分らしさのある表現を模索しています。

    豆ははこさまに「表現が大好き」とおっしゃっていただくのは、面はゆくもありますが、光栄なことです。

    『音』の表現について気づかせていただき、誠にありがとうございました!
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