散るような儚さの蛍の光と森の中の少女。文章で闇に浮かぶ淡い光をここまで見事に表わして、そこに「これはどうなってしまうのだろう」と凝っていた肩の力が一気に抜けるような悲しき美しさを見ました。
お話の詳細には触れませんが、とても美しく幻想的なお話です。終盤の蛍の舞うシーンは、読んでいて眩しくなりました。いや、本当に。そんなはずないなんて言わずに読んでみてください。きっとわかりますから。
森の清流に、たくさんの蛍が飛び交うという。主人公はその光景見たさに、立ち入りを禁じられた森に足を踏み入れる。ところが、夜の森は思った以上に暗く、危険だった。木の根に躓いて転び、懐中電灯も失くした――その森では、何十年も前に一人の少女が行方不明になっていました。最後の瞬間、すべての情景が一つに繋がる構成が見事。「異界との交流」が丁寧に描かれていて、読後の余韻が素晴らしいです。切なくもどこか温かい、夏の夜の夢のような作品でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(199文字)
静かな湖畔でのひとときを切り取ったこの掌編は、言葉にならない想いと風景の美しさが重なり合う詩のような一篇でした。読後には、切ない余韻が長く残りました。
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