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概要
井戸の底から、三十三番目が数えられる。
民俗学を専攻する大学四年生・片桐悠真は、就職活動と卒論に追われる夏の夜、ゼミの掲示板に匿名で投稿された一本の動画を目にする。
『【閲覧注意】一九七八年G県猟奇事件の現場映像 本物』
そこに映し出されていたのは、山奥の廃村に残る旧家「半鳴家」――その屋内に据えられた、底の見えない巨大な井戸だった。ノイズの奥に一瞬だけ映り込む白い鬼面。闇の中に佇む黒い人影。そして、撮影者に向けられた声。
「来たか。待っていたぞ」
動画を見た夜、悠真は夢の中で井戸の底に立っていた。泥に足を取られ、どこからともなく聞こえる数え声。闇から現れた影は告げる。
「お前は三十三番目だ」
幼い頃、祖母に固く禁じられた山。その向こう側にあるという、人が近づいてはならない場所。祖父と共に峠を越え、二度と帰らなかった者
『【閲覧注意】一九七八年G県猟奇事件の現場映像 本物』
そこに映し出されていたのは、山奥の廃村に残る旧家「半鳴家」――その屋内に据えられた、底の見えない巨大な井戸だった。ノイズの奥に一瞬だけ映り込む白い鬼面。闇の中に佇む黒い人影。そして、撮影者に向けられた声。
「来たか。待っていたぞ」
動画を見た夜、悠真は夢の中で井戸の底に立っていた。泥に足を取られ、どこからともなく聞こえる数え声。闇から現れた影は告げる。
「お前は三十三番目だ」
幼い頃、祖母に固く禁じられた山。その向こう側にあるという、人が近づいてはならない場所。祖父と共に峠を越え、二度と帰らなかった者
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