概要
朝廷を揺るがした承和の変は、その裏で、空海が追っていた不老不死の秘術と繋がっていた!!
遣唐使として入唐した最澄は、年老いた桓武天皇から「不老不死の法を手に入れろ」という密命を帯びていた。
ところが、その手柄を、同じく遣唐使として入唐していた空海に奪われてしまう。
その「不老不死の法」こそが、白川家に代々受け継がれていく、失われたはずの「黄帝内経」なのだ…
※霊枢治療師シリーズ 第0部 白川伯雨「天泣の空」は全三章の構成になっております。
(今回の物語は第一章です)
このシリーズの全構成は、第0部(伯雨編)、第一部(涼雨編)、第二部(時雨編)の三部構成になっており、全ての物語が時代を超えて繋がる壮大な物語なのです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!悪人よ善をも超える秘策もて天下の雨を慈悲にて祓え
井野匠先生が、全力で読者を殴りに来ています。
泣きました。泣きました。
物語でしか、泣けない私です。
自分のために流す涙は枯れています。
これは、良いです。
平安時代に遡る、霊枢治療師・白川一族のルーツが明かされる本章。
建物の名称や描写など説明も多いのに、煩雑に感じることなく世界に入れます。
考証がしっかりしているので、安心して読めるのです。
ときの為政者、怪僧、権力者、上皇、后など高貴の方々の思惑・野心・情念が複雑に絡み合います。
一見して悪人と思われるようなキャラクターの奥行きが、行間からブワッと立ち上ります。
語りの妙義を爆発される井野匠先生に、「大師…どこのお寺で修行なさった…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この物語は、小説というより、一本の傑作映画を見終えたあとの余韻に近い。
読んでいて、何度もジョゼッペ・トルナトーレ監督の作品を思い出しました。
トルナトーレ作品が「失ってしまったものを抱きしめながら生きる人」を描くのだとすれば、この作品は「失われたと思っていたものを掘り起こし、その本当の価値に気づかせる物語」でした。
だから、ラストで訪れるカタルシスは単なるどんでん返しではありません。
登場人物の人生そのものが、静かに、しかし根底から塗り替えられる。
読後には「そういうことだったのか」という驚きよりも、「この人は、ずっと愛されていたんだ」という温かさが残ります。
決して万人向けとは言えません。
歴史、仏教、思想などの知識が随所に登場し、決して読みや…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~「不老不死の法」を奪われた最澄、千年の物語の起点 ~
平安時代、桓武天皇の密命を帯びて唐へ渡った最澄が、同じ遣唐使である空海にその手柄を奪われる歴史上の実在人物を巻き込みながら、霊枢治療師シリーズの起源そのものを描く野心的な第0部だ。
「不老不死の法」こそが白川家代々の秘術「黄帝内経」であるという設定が、これまでのシリーズ作(第一部・第二部)で描かれてきた「雨」を祓う力の由来を一気に深める仕掛けになっている。空海という人物を単なる天才としてではなく、人間味のある野望や謀を持つ存在として描いている点も読み応えがあり、歴史上の人物が輪郭を持って動く様は、時代小説としての説得力を支えている。
連載中・全16話とまだ序盤だが、シリーズ三部構成(第0…続きを読む