概要
「そいつは手応えのない空気のように私のまわりに漂う」(ボードレール)
1793年、リヨン。このフランス第二の都市の工業都市は、ブルジョアと労働者(サン・キュロット)の深刻な対立がつづいていた。ところが、フランス革命勃発により、ジャコバン派のシャリエがリヨンを革命派の都市にした。これに反発する王党派は、シャリエを逮捕し、リヨンを手中にする。そして、あろうことか国民公会が送りつけたギロチンによってシャリエの処刑を敢行、しかもその処刑がうまくいかず、シャリエは三回もギロチンを受けた上でまだ死なないというので、ナイフで首を斬られた。
国民公会はリヨンへの懲罰を決め、軍を差し向けて占領、議員のクートンを派遣した。
ところがクートンは家の屋根の一部を崩す程度の「報復」しかせず、リヨンの市民は革命派を侮る。
憂慮した国民公会は、ある議員に白羽の矢を立て、リヨンに対する「報復
国民公会はリヨンへの懲罰を決め、軍を差し向けて占領、議員のクートンを派遣した。
ところがクートンは家の屋根の一部を崩す程度の「報復」しかせず、リヨンの市民は革命派を侮る。
憂慮した国民公会は、ある議員に白羽の矢を立て、リヨンに対する「報復
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!🔥 リヨンを焼いた革命の炎と影――フーシェが見た “悪” の素顔 🕯️
『惡の花 ~リヨンの叛乱と、霰弾(さんだん)乱殺者~』は、フランス革命期リヨン叛乱という血なまぐさい史実を舞台に、「正義」と「悪」の境界を冷徹かつ詩的に描いた歴史短編でした 🟦⬜🟥
まず圧倒されるのは、冒頭から一気に燃え上がる“歴史の熱”の描写です 🔥📜
ボードレール『悪の花』の一節を掲げて始まる導入は、詩的でありながら不穏で、「これはただの歴史再現ではなく、“悪”そのものを見つめる物語なのだ」と宣言しているようでした 📖🌸
1793年、対立を抱えた工業都市リヨンに、革命という火が燃え広がる 🩸⚙️
元僧侶シャリエがバスティーユの石を掲げて民衆を煽り、ブルジョアとサン・キュロットの対…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ナポレオン「市民に散弾込めた大砲を撃つなどあり得ん。犯人の顔が見たい」
歴史上の人物を描くとき、「一般的にはこう言われているが、実はいい奴(悪い奴)だった」と意外性を描き出してみせる手法と、「やっぱりこういう奴で、典型的なエピソードはこれ」と、一般的なイメージをあらためて強調する方法がありますが、フーシェという陰キャ(※個人の印象です)を描いた本作は、後者に属するタイプと言えます。何しろ舞台は、フランス革命初期のリヨン市。西洋史に通じた方は、これだけで「あっ……(察し)」となるかと思います。
フーシェという男は、近代警察の祖と言われるほどの人物ですが、フランス革命からナポレオンの台頭、そして没落までの間、巧みに政治的立場を変えて生き残った人物でもありました…続きを読む