概要
僕の妹が壊れてしまった。
妹『まゆ』は心身ともに病んでいる。主人公は家族のこれまでの日々を回顧し、大切な妹を守りたいと思う気持ちを思い返す。
※作中で『生理(女性の月経)』に関して誤った認識をそのまま記載していますが、あくまでも作品上の表現です。
※作中で『生理(女性の月経)』に関して誤った認識をそのまま記載していますが、あくまでも作品上の表現です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!清を求めて、濁へと至る。
ふたりきりの場所で僕は壊れてしまった妹、まゆの世話をしていた。
僕も彼女も、何も悪いことはしていなかったのに。
心当たりはある。天使のまゆとは対照的な悪魔の男、僕が懸命に戦い続けたあいつの存在だ……
・
サラリと飲みやすい血液のような小説。
起こっている出来事からして嫌悪感のある話なのであるが、どことなく生気のある、フレッシュな感じがするのは、
懸命に抗う語り手の「僕」によるところが大きいのだろう。
人の心の悍ましさを描く作品は少なくないが、この作品はとりわけ「偏執的」な人物とはどういうものか分かりやすく示されていた。
とても参考になる一作でもあった。
- ★★★ Excellent!!!純粋な心は たやすく歪み、終わらぬ悲劇を生む──
再婚した母が妹を産んだ。自分の命と引き換えに、新たな命を生んだ。
「僕」は妹を愛し、継父を憎んだ。
あの男が母を殺した。あの男が「妹を産ませたこと」が母を殺した!
あの男が悪い! あの男が憎い! あの男が母を! あの男は妹も!
「僕」は歪んだ信念と責任感を胸に、妹を守るべく奮闘する──。
いやあ、なんてことでしょう。
「気持ち悪い」とのタグと紹介文の注釈に身構えていましたが、読み終えた今、不思議な満足感に酔っています。
刺激の強い描写はありますが、ぜひ読んでみてほしい作品です。
「兄」「妹」「(継)父」──誰がどこで間違えたのか、誰が悪かったのか。答えの出ない問いにしばらく考えさせられ…続きを読む