概要
勝ちたかったんじゃない。見せたかったのは……
高校三年の綾は、練習後の体育館でひとり居残りを続けていた。そこへ同じ部の元エース、一条葵が残るようになる。言葉は少ないのに、ボールの音だけが自然に重なっていく。小さな一対一、短い約束、触れそうで触れない距離。試合が近づくほど怖さも増すのに、葵の静かな視線だけが綾の呼吸を整えてくれる。地区大会のコートで、綾は初めて“見られる怖さ”を越えて踏み込む。点を取った瞬間に確かめたくなるのは勝利じゃなく、ベンチにいる葵の表情だった。
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