概要
それは「決して揺るがない正義」として、日本中の支持を集めていた。
ある日、高校生・藤田 直の日常は唐突に壊れる。
大切な人――道井 桃が、《アヴァロン》へ送られたのだ。
連絡は取れない。面会もできない。
彼女は、社会から完全に消された――はずだった。
そんな日々の中、直のもとに、奇妙な「楽譜」が届く。
国家最強のAIは、本当に完全なのか。
そして少年は、国家最強のAIを出し抜くことができるのか。
近未来SFサスペンス
『音紋 — Sound Print —』
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!AI時代が到来した今こそ読むべき‼️‼️
被害者を救済するために開発されたAI監視システム――アヴァロン。
冒頭でその一文を目にした僕は、思わずこうコメントしていました。
「なんて理想的な制度だ。是非、実現してほしい」
――しかし、その考えはすぐに覆されることになります💦
本作は、直と桃が紡ぐ優しい時間から始まります。
微笑ましさと、若さゆえの不器用さ。
自然と二人を応援したくなる、そんな空気に包まれていました。
あの頃が懐かしい……(笑)
けれど、ある日突然、桃が収容所へ送られ、忽然と姿を消す――。
その瞬間、「ああ、ここからが本当の物語なのだ」と痛感させられました😄
AI時代が訪れた今だからこそ、読むべき良作で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!想定される未来と、はるか上
AIの躍進が目覚ましいこの頃。
いっそ、すべてお任せしてしまったら良いのでは……と思うのも人情かもしれません。
非効率な事務作業や、恣意的はたまた偶発的な色メガネによって歪められない、「純白」の社会が形成される可能性は、大いにあり得ます。
本作の舞台は、そのような日本。
国家運営に先立って、とある重要施設がAIの管轄化に置かれています。
それは刑務所。
世界に先んじる叡智「アヴァロン」が刑期、更生方法、被害者補填など一切を取り決める、最高峰の隔離システムです。
しかし……なぜ?
間違いようのないはずの機械が「刑」を言い渡したのは、無罪であるはずの人々。
奇しくもア…続きを読む - ★★★ Excellent!!!音階で紡がれる助けを呼ぶ声。国家基盤の最強AIをぶっ潰せ!
主人公の藤田直の親友兼ヒロイン道井桃は日本統制の国家基盤AI『アヴァロン』に犯罪の容疑をかけられ、家族まとめて拘束されてしまう。
しかし、それは冤罪だった。
な、なんだってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
桃から送られてくる楽譜から、音の紋様を文字に変換し、直は少しずつ真相と桃救出のための手段に奔走する。
大ヒット上映中!コナン君ばりのハチャメチャ、アクションシーン! もうコナン君の題材に出て来てもおかしくない、推理と手に汗握る展開!!
進化し過ぎたAIは果たして人類の敵なのか、味方なのか。
真実はいつも一つ!!
……科学ノ発展ニ犠牲ハツキモノデース。 - ★★★ Excellent!!!シンギュラリティと、AIの暴走を描いたSFサスペンス。読み応えあり!
SFを主戦場にする晴久さんの最新作です。10万字弱の長編です。
AIの進化によるシンギュラリティと、そこから噴出する矛盾をテーマにしています。
ストーリーは、主人公藤田直のピアノのパートナーである道井桃が、日本を統制するAIのシステムであるアヴァロンに、家族ごと拘束されてしまうところから始まります。これは冤罪だ、と直感した直は、道井家の潔白を証明するために動き出しますが、桃とのやりとりは全てアヴァロンが監視している。いい方法を考えなければ。
そこで、通信手段として使ったのが「音紋」。桃から送られてくる楽譜を直が演奏し、パソコンでデータ処理をすると、言葉が流れ出すのです。
そうして直…続きを読む - ★★★ Excellent!!!音楽が言語となり、暗号化される。その暗号は好きな人が助けを呼ぶ声だった
「間違いを犯さない正義」をプログラムされた鋼鉄の人工知能は、本来なら正しく思考し、人を裁くはずだった。
しかし、その正義のバランスが崩れたとき、罪のない人々の拘留が始まってしまう。
ある日突然、好きな人が監獄に収監される。
しかも理由は冤罪。
日常は壊された。
どうすることもできない直のもとに届いたのは、直と桃にしか弾けない難解なピアノ譜だった。
それこそが、冤罪に抗う唯一の手段と気づいた直は、桃を救うため協力者と共に国家管理AI監獄《アヴァロン》へのアクセスを試みる。
アクション、家族愛、恋愛がバランスよく盛り込まれ、読み応えは抜群。
特に、最初は現実的でど…続きを読む - ★★★ Excellent!!!最強のAIは、その音が抜け道だった――だけにとどまらないアクション!
※完結直前にレビューを書いています。
とても読みやすいのに、スパイ映画の世界のようなスリルと、アクション。
盛りだくさんの作品です。
「なぜあの子が囚われなければいけないのか!?」
少年・藤田直(ふじたなお)の心に火がともり、行動へと変わっていきます。
音の調べに色がついて見えるという特性が、AIの虚を突いた「ある手段」として機能しはじめるとき、今まで出会ったことのない世界が見えた気がしました。
スパイそのもののような病院でのある作戦、奇跡のようなリサイタル体験、読んでいるだけで手に汗を握るカーアクションと、まるで映像作品のような情景がつぎつぎに現れます。
作者の持ち味である近未来…続きを読む - ★★★ Excellent!!!自由の音色は、ディストピアに光を齎すのか?
音楽というものは、良くも悪くも人の心に影響を与えるものだ。あるときは、人を癒して嬉しくしてくれる。またあるときは、人を泣かせてブルーにしてくる。本作は、そんな音楽の二面性をよく表していると思うのだ。
本作は、いわゆるディストピアモノである。無実の罪でAIに逮捕された幼馴染を救うため、ピアノ好きの主人公の直がAIを出し抜かんとするSFサスペンスだ。彼の武器は、なんとピアノ。ピアノを通じて謎を解き、メッセージをやり取りしていく。その緊張感と謎解き、そして一人の少年の等身大の悩みと苦しみ、友情が実に魅力的であろう。
時に音楽に笑い、時に音楽に泣く。そんな少年の反逆劇の結末は……?