概要
神力を宿す王太子が、勝利の先を背負う物語
南の戦いを終わらせた王太子エルドウルフは、昼夜を問わず少数の兵を率いて北の戦場へ向かう。
そこで彼は、かつて夢に見た少女――“闘神”と呼ばれるフェギスノーラと再会する。
少女の姿をした神の力は、戦場を一瞬で覆し、勝敗を決するほど圧倒的だった。
だがエルドウルフが引き受けたのは、勝利そのものではない。
死者を数え、兵を帰し、民の祈りを受け止め、戦の後に残る現実ごと背負うことだった。
やがて王都を離れた彼は、王太子領クワルノーで領地運営を始める。
街を整え、人を集め、物流と防衛を組み直し、戦場ではなく統治によって未来を築こうとする。
その傍らでフェギスノーラもまた、人の暮らしの中で言葉を覚え、感情を知り、自らの意志で世界に触れ始める。
人を知らない神は、食卓の温かさを知
そこで彼は、かつて夢に見た少女――“闘神”と呼ばれるフェギスノーラと再会する。
少女の姿をした神の力は、戦場を一瞬で覆し、勝敗を決するほど圧倒的だった。
だがエルドウルフが引き受けたのは、勝利そのものではない。
死者を数え、兵を帰し、民の祈りを受け止め、戦の後に残る現実ごと背負うことだった。
やがて王都を離れた彼は、王太子領クワルノーで領地運営を始める。
街を整え、人を集め、物流と防衛を組み直し、戦場ではなく統治によって未来を築こうとする。
その傍らでフェギスノーラもまた、人の暮らしの中で言葉を覚え、感情を知り、自らの意志で世界に触れ始める。
人を知らない神は、食卓の温かさを知
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!真の英雄が持つ揺るぎない覚悟
神力を宿したエルドウルフが抱く覚悟と、異様なほどの美しさを放つフェギスノーラ。
この対比が軸となりながらも、共通するのは人が持つ感情に敏感な反応を示すこと。
ただ強いだけでなく、人の上に立つ立場としての在り方が描かれてあり、同時に戦の激しさだけにとどまず、登場人物の感情にも光を当てているところに、作者様の物語へのこだわりを感じました。
物語の構成における強弱のつけ方が秀逸で、戦記ものとしてのみでなく、人間ドラマとしても楽しめる要素がふんだんに詰まってます。
なにより登場人物の心情に寄り添った描写が、いっそう共感性を助長します。
真の英雄とは何かについて考えさせられる深みもあり、読み…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神に選ばれた英雄ではなく、削れながらも立つ王太子の戦記
戦記ものとして面白いのはもちろんですが、
兵力差や地形、陽動と奇襲の組み立てがしっかりしていて戦場描写に引き込まれる一方で、その中心にいるエルドウルフの在り方がとても印象的です。
強いから英雄なのではなく、削れながらも兵のために立ち続けるからこそ、人の上に立つ者としての重みが出ている。
その覚悟が、読んでいてとても胸に残ります。
そしてフェギスノーラ。
神としての美しさと異質さがありながら、どこか人の温度も感じさせる存在で、二人のやり取りには戦記とはまた違う静かな魅力がありました。
壮大な戦と、祈りのように繊細な感情。
その両方を味わえる作品だと思います。
続きがとても楽しみです。