概要
触れたもの全てを『開錠』し、破壊する。たとえ、この身が石になろうとも。
※本作には、虐待、自死、犯罪を示唆する描写が含まれます。
南洋の孤島・ロジャ島。人目を避けて暮らすのは、かつて大陸で名を馳せた女泥棒・ザドーだった。ある夜、一人の少女が屋敷に忍び込む。
その子がついた悪態は、何十年も前に死んだ夫が、最期に遺した言葉だった。
『ちょっとの洗濯物が、呼んでいるわけ』
少女の名はナナビ。無実の罪で心を壊された父と家族を支えるため、その小さな手を罪に染めて生きる、幼き盗人だった。
亡き夫の遺志を知ったザドーは、ナナビに錠前の技を教え、やがて自らの異能を託す。
「あんたに開錠をあげる。これを使うことを、あたしが許可する」
『開錠』――触れたものの仕組みを見抜き、扉も金庫も、人の記憶さえも開け放つ力。ただしその代償として、生き物を開錠するたび、術者の
南洋の孤島・ロジャ島。人目を避けて暮らすのは、かつて大陸で名を馳せた女泥棒・ザドーだった。ある夜、一人の少女が屋敷に忍び込む。
その子がついた悪態は、何十年も前に死んだ夫が、最期に遺した言葉だった。
『ちょっとの洗濯物が、呼んでいるわけ』
少女の名はナナビ。無実の罪で心を壊された父と家族を支えるため、その小さな手を罪に染めて生きる、幼き盗人だった。
亡き夫の遺志を知ったザドーは、ナナビに錠前の技を教え、やがて自らの異能を託す。
「あんたに開錠をあげる。これを使うことを、あたしが許可する」
『開錠』――触れたものの仕組みを見抜き、扉も金庫も、人の記憶さえも開け放つ力。ただしその代償として、生き物を開錠するたび、術者の
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!丸い手触り
本作は、今回のカクヨムコン……つまり、カクヨムコン11への参加作品である。
実のところ、せめて読者選考期間が終わるまでに読んでおきたかった。我が身の不明を恥じる。それでも、語らないよりは語った方がはるかに良い。そう確信させる内容だった。
閑話休題。
最初は、非常に難解で、宇宙空間に放り出されたような感触を意識しながら読み進めた。
引き継がれる『異能』は、虐げられた者が唯一備える……または、押しつけられる……希望でもあり絶望でもある。そもそも、本作で登場人物達を動かすのは、表には戒民局だが裏では写真だ。遅くとも、中盤からはそうなる。
真を写す機械が、別な意味で物語の真相に…続きを読む