このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(169文字)
この物語は、兄との約束、身請けの言葉、救いの手等、一見希望の様に見える言葉や行為が、必ずしも救済にならない残酷さを描かれています。遊郭という地獄から逃れても、辿り着くのは別の安らぎはあっても未来はない鳥籠に過ぎない。誰かに守られている状態が幸福なのかと問いかけるようでした。
すっきりした読み口で語られる、どことなく古典の香りをまとった悲恋譚。花街の猥雑さや水仙(翡翠)の山暮らしでの生活の描写は空気の匂いまで感じられて、作者さまの中に「映像としての物語」がしっかりあるのだろうな、と感じました。タグを見て「好き」要素に合致する方へ、そっとおすすめしたい作品です。
もっと見る