概要
その探偵が呼ぶのは、忘れられた魂の名前。
京都・鳥辺野。生と死の境が曖昧になるかつての風葬の地で
新人新聞記者・遠野ことはは、“歩く屍”の噂を追っていた。
その屍が、失踪した兄なのではと疑って。
霧の中で目撃した人影は、確かに兄の面影を宿していながら
眼窩は奈落のように空洞――魂の抜け殻だった。
屍に襲われかけた彼女を救ったのは、金碧の左目を持つ探偵・鳥辺契。
飴の香りと香の気配を纏う奇妙な男は、屍の状態を「真名を奪われた」と断じる。
魂の名前――真名を見る探偵と、探偵の能力を以ても真名の見えない女。
金眼の探偵は、妖が織りなす“名”の闇へと、彼女を導いていく。
新人新聞記者・遠野ことはは、“歩く屍”の噂を追っていた。
その屍が、失踪した兄なのではと疑って。
霧の中で目撃した人影は、確かに兄の面影を宿していながら
眼窩は奈落のように空洞――魂の抜け殻だった。
屍に襲われかけた彼女を救ったのは、金碧の左目を持つ探偵・鳥辺契。
飴の香りと香の気配を纏う奇妙な男は、屍の状態を「真名を奪われた」と断じる。
魂の名前――真名を見る探偵と、探偵の能力を以ても真名の見えない女。
金眼の探偵は、妖が織りなす“名”の闇へと、彼女を導いていく。
応援ありがとうございます。励みになります!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!桜のようにふっと咲き、心を掴んで離さない筆致に読む手が震える。
魂の名。真名。
真名が見える探偵──鳥辺契。
京都を舞台とした物語は、それだけで妖艶さを帯びる。
そこにある文は、読めばふと心の中で光を纏って浮かび、舞い散る桜のように消えてゆく。
美しい余韻が、静かに沁みてくる。
まるで夜桜だ。
ライトアップされた桜ではない。月に照らされた桜の、ひやりとした輪郭。
文をなぞる指が、その光を捉える。
すると目には情景が湧き、また次の情景へと誘われる。
「美しい」だけで片づけるのが、なぜか惜しい。
鳥辺野に行きたくなる。
そして飴を口に含もう。カロコロと噛めば、あの風景に出会えるかもしれない。
珠玉の作品です。